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EPCF


目次

目次背景アメリカでの事例
津波被害軽減と事前準備に関する包括的アプローチ
カリフォルニア州における地震被害軽減プログラムの歩み
官民のユーザー主導によるライフライン耐震調査のパートナーシップについて
意図的な災害−アメリカにおける自然災害の再評価−
FEMAによる改訂版沿岸建設マニュアル
カリフォルニア州サンフランシスコ沿岸地域におけるHAZUSによる地震リスク評価能力を向上させるための官民のパートナーシップについて
地震被害軽減のための知識の拡充と活用
地震工学シミュレーションのためのネットワーク(NEES)
平時及び大規模災害時の情報交換
陸上や海底での地滑りによって生じる津波災害のモデル化について
サンフランシスコ沿岸地域における「プロジェクト・インパクト」の概要
全米津波防災プログラム
津波に耐えうるコミュニティー
地震リスク軽減のためのプログラム
緊急事態における統合管理

目次背景日本での事例

目次背景日米共同の事例


緊急事態における統合管理
中央政府と州政府の連携、被災者のニーズの確認と統一対応

■巨大地震のような大規模な災害が発生した場合、被災者の生命を救うには迅速な対応が不可欠である。市民は過去の経験から、大規模災害発生時には政府に中心的役割を担うよう求めており、米国では州を越えた緊急事態統合管理方針に基づいて、緊急事態管理者が中心的役割を担うことになっている。

法的規定(スタッフォード法)

 災害対策が州単力では不可能だと判断された場合、州知事は予備的な被害評価(PDA)に基づいて大統領に大災害非常事態宣言を発するよう要望できる。宣言が発せられると、大統領は直接連邦各機関に命令を下すことができる。各機関は大統領の命令の元に対策を実行するが、この宣言が発せられる前であっても、食料品や発電機など初期対応物資の運搬や国防総省の物資利用の申請を行うことは可能である。 FEMA(連邦緊急事態管理庁)長官はFCO(連邦調整官)を州知事(州政府調整官)をそれぞれ任命し、両者は緊密に協力しながら現地での対応にあたり、対策終了後の費用分担について話し合いを行うこととされている。

連邦対処計画(FRP)

 FRPは、スタッフォード法に基づいて、大規模災害発生時に連邦政府が管理する物資の取扱指針と、搬送方法を規定している。また、連邦の各機関の機能に応じて12の機能(緊急事態支援機能)を定め、適切なESFがそれぞれの対策運営にあたっている。ERPの他には事前プランが連邦政府の各レベルで定められ、物資や施設の確認、様々な想定下における対応などが練られている。事前に設置されている非常事態チームおよび施設の内容を以下に示す。

FOC(FEMAオペレーションセンター): 災害に対するFEMAの公式発表をとりまとめる。24時間体制で情報収集にあたり、FEMA長官、FEMA地域オフィス、関係機関に状況を報告する。

MERSMOC(移動緊急事態対処支援オペレーションセンター): 災害を24時間態勢で監視し、FEMA地域オフィスへ情報を提供する。

ROC(地域オペレーションセンター): ERT(非常事態対応チーム)が設置されるまで被災地の非常事態管理にあたり、被災地各機関とEST(非常事態支援チーム)の連絡調整を行う。

ERTA(ERT先遣隊): 最初に被災地へ飛ぶ連邦政府のチーム。FEMAのメンバーがチームリーダーを努め、連邦各機関からメンバーを選ぶ。現地の情報、要望をとりまとめるEOC(非常事態運営センター)を設置し、ROCへフィードバックする。

ERTN(連邦政府ERT): FEMAの機能を総動員しなければならないような大災害に見舞われた際に被災地に設置され、FEMA責任者が現地と政府機関の調整にあたる。メンバーはFEMA本部と自治体、政府各機関から選ばれる。

ERT: 連邦の対策運営を確実に行うための主要グループ。FCOサポートスタッフと4つの主要セクション(運営、情報および計画、物流、管理)から成る。

EST: ROCスタッフや、ERTの支援を行う。首都に設置されるFEMAEICC(FEMA非常事態情報調整センター)の指揮でIRRやその他必要物資の搬送を行い、運営の進捗状況などをESF主要機関のスタッフに提供する。

 教育および訓練 教育と訓練は非常事態管理における重要な要素の1つである。上記チームのメンバーや、各レベルの管理メンバーは、FEMAが設立した国立EMI(非常事態管理協会)で十分な訓練を受けている。 被災者の必要物資確認 迅速な対応で被災者に必要物資を届けるため、被災地の対策施設にEEI(重要情報センター)を設置する。また、非常事態対応チーム内に連邦ならびに州の各専門家(医療、物流等)からなるRNA(必要物資緊急査定)を設置し、適切な対応を行う。 FEMAは、被災者に必要物資を迅速に届けるため、常設の物流センターを本国、カリブ海、太平洋の3カ所に設置し、必要物資をストックしている。また、災害発生時には移動物流センターが設置される。

 世情の変化に伴い、FRPは改善を続けている。また、日米間では非常事態に対する相互協力関係が結ばれている。


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