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目次

点アメリカでの事例
津波被害軽減と事前準備に関する包括的アプローチ
カリフォルニア州における地震被害軽減プログラムの歩み
官民のユーザー主導によるライフライン耐震調査のパートナーシップについて
意図的な災害−アメリカにおける自然災害の再評価−
FEMAによる改訂版沿岸建設マニュアル
カリフォルニア州サンフランシスコ沿岸地域におけるHAZUSによる地震リスク評価能力を向上させるための官民のパートナーシップについて
地震被害軽減のための知識の拡充と活用
地震工学シミュレーションのためのネットワーク(NEES)
平時及び大規模災害時の情報交換
陸上や海底での地滑りによって生じる津波災害のモデル化について
サンフランシスコ沿岸地域における「プロジェクト・インパクト」の概要
全米津波防災プログラム
津波に耐えうるコミュニティー
地震リスク軽減のためのプログラム
緊急事態における統合管理

点日本での事例

点日米共同の事例


津波被害軽減と事前準備に関する包括的アプローチの展開
−カリフォルニア州の事例から−

■カリフォルニア州における津波被害軽減と事前準備プログラムの確立とは、 津波の脅威を認識させ、津波災害が発生した際の緊急対応や行政機関の動きについての理解を深め、 さらに沿岸のコミュニティーが津波に対応できるよう事前準備を進めさせリスク軽減の能力を高めるという、一連のプロセスを意味する。  

カリフォルニア沿岸への津波の脅威についての史料は、最初のヨーロッパ人の定住まで遡ることができるが、一般 的にはその脅威は小さいと考えられていた。(アメリカ原住民の口伝についてのごく最近の研究によれば、散在するデータの中に津波の危険性について触れた部分があるとのことである。)

カリフォルニア州沿岸部では、1940年代と50年代につなみによる小規模な潮位 変化を記録したことがあったが、1964年の聖金曜日に起きたアラスカ地震による津波は、今日的な意味で、カリフォルニア州沿岸を襲った初めての深刻な出来事となった。この災害により、クレセント市は大きな被害を受けたが、カリフォルニア州内の別 の場所では、それ以降も、津波は大した脅威にはならないという思い込みが続いていた。  

カリフォルニアに対する最初の津波危険度評価は、1970年代にアメリカ政府が国家洪水保険プログラム(NFIP)の一環として作成した沿岸洪水地図に含まれているが、そこでは津波被害が発生するとすれば、太平洋を横断してくる波によって生じるものとされていた。津波の危険性について、一瞥以上の関心を示す者はほとんどいなかった。クレセント市やデル・ノルテュ郡、サン・マテオ郡は例外であるが、これらの地域はすべて津波による冠水や犠牲者、被害を出していたのである。


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