防災
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「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」について
企業における防災活動は、地域防災力向上の重要な課題です。
これまでの検討結果や課題などを紹介します。
「企業と防災に関する検討会議」について
企業における防災活動は、地域防災力向上の重要な課題です。そこで、「民間」の知恵と力、「市場」のスピード、活力を活かして地域社会の災害対応力を高めるという観点から、企業と防災のあり方について検討するため、防災担当大臣主催による「企業と防災に関する検討会議」を開催(平成14年12月〜平成15年4月)しました。
「企業と防災 〜今後の課題と方向性〜」(抜粋)
1.地域防災と企業
(1) 災害時における地域社会への貢献
(2) 行政との連携による災害時対応
2.企業連携による防災まちづくり
(1) 近隣企業の相互協力による地域防災力の向上
(2) 企業が積極的に参画する防災まちづくりの推進
3.市場の力を活かした防災力の向上
(1) 防災マーク、デザインの普及
(2) 防災会計導入の提案
4.企業のリスクマネジメント
(1) 業務継続計画(BCP)策定のための環境整備
(2) 防災リスクマネジメントに関する日本発国際規格の提案
「企業と防災 〜今後の課題と方向性〜」 (PDF形式:313.2KB)
「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」
について
平成15年9月に中央防災会議に設置された「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」は、民間企業、個人、地域のNPO等の力を用いた防災力を向上させる方策等を検討し、「民間と市場の力を活かした防災戦略の基本的提言」を平成16年10月にとりまとめました。
基本的提言の要点
1.防災対策に関する社会の目標明示
事前の対策や平時の備えを適切に行うことで被害軽減が可能で、そのためには、具体的な目標を官民が連携して提示し、社会全体で共有することが必要。
→ 目標を持つことが企業や地域のNPO等の防災対策の奨励、促進、誘導につながる。
2.多様な主体による取組みと環境整備実施
個人、地域の諸団体、NPO、企業等の取組みを促進
3.具体の方策として実現すべきもの(主要なもの)
(1) 地域や民間で防災まちづくりを進めるための方策
防災まちづくりを促進のための、支援ガイドブック、支援サイト、相談窓口開設、講師派遣 等
(2) 企業と市場の力をよりよく発揮させるための方策
企業の災害時業務継続計画(BCP)策定促進のための、BCPガイドライン作成、促進措置、企業の防災対応が投資家から評価されるための仕組みの構築等
(3) 社会と地域の「備え」を高める方策
防災情報の共有化の促進及び普及、防災教育、人材育成、地震保険の普及
(4) 緊急に実施すべき減災対策
住宅・建築物の耐震化、津波対策
「民間と市場の力を活かした防災戦略の基本的提言」(抜粋)
1.現状
「なぜ防災対策は進まないか」について、専門調査会において、様々な意見が出されました。また、地域に根ざしたまちおこしが防災につながっていることが分かりました。
(1) 喉元過ぎれば・・・リスク認識
(2) いつ起きるかわからない/効果がわからない・・・減災対策、費用対効果への認識
(3) 地域に根ざしたNPO、商店街のまちおこしが、防災活動の活性化にもつながっている
2.課題
防災力向上のために「何を変える」べきなのか、専門調査会では、次のような課題について議論されました。
(1) 目標を明示し、共有すべき
(2) リスクを正しく評価すべき
(3) リスクに関するコミュニケーションを推進すべき
(4) 防災対策、特に企業の防災対策の費用対効果を定量的に明示する仕組みが必要
(5) 防災対策を、災害後の個別対応を的確に行うこと(Quick-win)としてだけではなく、社会全体の利益につながる(Big-win)ものという認識が必要
(6) 多様な主体の交流と連携を推進すべき
3.方向性
課題に関して、論点を以下のように整理しました。
1 | 防災対策に関する社会の目標を明示 |
---|---|
2 | 多様な主体による取り組みを具体化し、そのための環境整備を実施 |
2-1 | 個人、地域の諸団体、NPO等による取り組み |
2-2 | 企業による取り組み |
3 | 具体の方策 |
3-1 | 地域や民間で防災まちづくりを進めるための方策 |
3-2 | 企業と市場の力をよりよく発揮させるための方策 |
3-3 | 社会と地域の「備え」を高める方策 |
3-4 | 緊急に実施すべき減災対策 |