第1回概要

民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会

民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会

「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」
(第1回)議事概要

中央防災会議事務局(内閣府(防災担当))

(専門調査会の概要)

日時:
平成15年9月18日(木)15:00−17:00
場所:
ホテルフロラシオン青山1階「ふじの間」
出席者:
樋口座長、青山、伊藤、斎藤、柴田、田畑、中谷、福澤、前田、松岡(和良)、松岡(勝博)、山口の各委員
鴻池防災担当大臣、坂内閣府審議官、尾見政策統括官(防災担当)、山口大臣官房審議官 他

議事概要

事務局から別添資料に基づき説明のうえ、検討の基本的な進め方、検討点を中心に各委員にご議論いただくこととし、各委員からは以下のような意見等をいただいた。詳細な議事録については、後日各委員の確認を経た後、公表する。

(1)検討の基本的な進め方

  • 防災まちづくり分科会と市場・防災社会システム分科会の2つの分科会を設置して検討をすすめる。原則として各委員はどちらかに所属するが、委員が希望すればもう一方の分科会へ出席することも自由である。
  • メーリングリストを構築し、日常的に委員間での意見交換と情報共有を図る。
  • 当専門調査会は原則として公開とする。

(2)意見

  • 当専門調査委員会で扱う防災の対象は、基本的に地震、洪水などの自然災害を念頭に置くものとするが、その結果は火災やテロなどの事故災害にも応用可能である。
  • 世界の保険会社の間では、日本の自然災害リスクが高いという認識が出来上がっており、その結果日本企業の保険料が高くなったり、再保険の引き受けが厳しくなったりしている。この認識を変えていくには、国、自治体、企業がこれまで対策をどれほど実施してきたか説明する必要がある。
  • 政府は防災対策にかかる公共投資を明治時代から積極的に行っている。日本における災害の可能性だけでなく、そうしたプラス面の蓄積をアピールする必要がある。特に従来の河川改修で、大洪水に対する十分な効果が発揮されている。
  • ミュンヘン再保険による世界都市別リスク指数とは異なる、より適切な指数についてわが国でも検討・作成を行い、それを国際発信する必要がある。
  • 世論調査では60%の人が建物倒壊を心配しているが、自宅の耐震性高めているとの回答は6%程度にすぎない。各自治体で耐震化補助制度を構築しているが、なかなか利用されていない実態にある。
  • 国民がある一定の価値観にマインドチェンジする必要があるが、その第一歩は事実を知ることである。日本は事実を知らしめる努力が不足している。阪神・淡路大震災で何を学んだのか等、防災に関する基礎的な情報を整理し、企業も含め理解させる取り組みが必要である。
  • 阪神・淡路大震災後10年を機に国連防災世界会議を実施する。それに向けて国としても阪神・淡路大震災の整理を行っていく。
  • 意識改革については企業の役割も大きい。例えば社長が朝礼で防災用の笛やライトの効用を話すだけでよい。まず従業員に知ってもらうことが第一歩である。
  • 地震対策の施策とは無関係に、江東区の不燃化建物の割合は年0.5%〜1%ずつ上昇している。建て替えを進めることで不燃化が促進される。
  • 災害に強い街とそうでない街が、お互いに連携、協働できるソフトや仕組みを作る必要がある。
  • 地震発生後は非日常の世界となるが、日常の延長線上に存在する対策でないと効果はない。震災疎開パッケージなど、普段から旅行などで楽しみながら、防災にも役立つ仕組みが有効。
  • 楽しいこと、儲かることでなければ長続きしない。小学生の防災キャンプも、先ず楽しく、さらには自分の感想や意見を親に話すから有効である。
  • 税制も有効であるが、耐震化を実施していると銀行のローンが違うなど、インセンティブにつながる様々な評価を社会システムに組み込んでいく必要がある。
  • 企業はコーポレートガバナンスやコンプライアンスで株主から厳しく追求される時代となった。耐震性のない建物に入居して被災したら株主代表訴訟の対象となる。このため耐震性のないビルから移転する企業も出始めている。
  • 地域ごとに災害の意識には差がある。災害の経験の有無の差も大きい。
  • 危険度情報の提供は行政の役目であり今後も続けて欲しい。しかしそれだけでは普通の市民の行動は変わらない。意識させずに気が付いていたら防災力が向上していたという仕組みや商品開発が必要。
  • 観光地など、以前なら危険といわないで欲しいという意見があったが、今は危険性だけでなく防災対策をセットで観光地のセールストークにしているところも出てきている。
  • 次回から二つの分科会それぞれで討議を行うこととし、分科会開催日程は別途調整を行う。

(以上は速報であり、精査の結果変更することがある。)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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