3−4 平成21年台風第18号



3−4 平成21年台風第18号

(1)災害の状況

9月30日に発生した台風第18号は,10月6日には非常に強い勢力で南大東島の南へ進んだ。台風は,四国の南海上を北東に進んだ後,強い勢力を維持したまま,8日5時過ぎに愛知県知多半島付近に上陸し東海地方,関東甲信地方,東北地方を縦断,9日には暴風域を保ったまま北海道の南を北東へ進んだ。

この台風は沖縄県南大東村では最大風速39.1m,最大瞬間風速58.9mを,北海道えりも岬で最大風速36.0m,最大瞬間風速47.2mを,愛知県常滑市セントレアでは最大風速32.7m,最大瞬間風速44.2mと猛烈な風を記録した。また,8日に茨城県の土浦市,龍ヶ崎市,千葉県の山武郡九十九里町から山武市にかけて竜巻が発生した。

この災害により死者5名,負傷者137名の人的被害が発生した。また,住家被害としては,愛知県など37都道府県で住家全壊9棟,住家半壊89棟,住家一部損壊4,567棟,床上浸水572棟,床下浸水3,065棟が発生したほか,80,780世帯に避難指示・勧告が出された。

土砂災害については,16府県の43市町村で96件発生した。

河川については,雲出川水系雲出川等延べ1水系3河川で計画高水位を越えたほか,延べ1水系1河川ではん濫危険水位(危険水位),3水系5河川で避難判断水位(特別警戒水位)を越え,各地で浸水被害等が発生した。

ライフライン関係においては,中部電力,関西電力を中心に延べ94万8,000戸が停電となったほか,都市ガスでは,神奈川県で供給支障が58戸で発生,上水道では,愛知県,栃木県などで約2,200戸が断水した。電気通信関係では,愛知県等において携帯電話基地局1,020局が停波した。放送関係では,静岡県等において中継局10局が停波した。

道路については,高速道路,国道,県道で,最大時の合計84区間で通行止めが発生した。鉄道では,184区間が運転中止となった。

公共土木施設では,河川609箇所,海岸24箇所,砂防23箇所,道路(橋梁含む)503箇所,港湾25施設,公園3施設に被害が発生した。

農林水産関係では,農作物の倒伏,折損等39,433ha,ビニールハウス等の損壊,破損13,984棟,農地1,707箇所,農業用施設等1,181箇所,林地荒廃180箇所,治山施設346箇所,林道施設971箇所,養殖施設1,608箇所,漁港施設72箇所に被害が発生した。

文教施設では,国立学校施設27校,公立学校施設551校,私立学校施設4校,社会教育・体育,文化施設等301施設,文化財等109件,研究施設等8件で被害が発生した。

社会福祉施設等では,89施設に被害が発生した。

(2)国等の対応状況

非常に強い勢力の台風であり,日本の南の遠海を北上しているときから,内閣官房や内閣府など関係省庁等は情報収集体制を強化し,被害・対応状況の速やかな把握などを行った。

なお,「平成21年10月6日から同月8日までの間の暴風雨による三重県津市等の区域に係る災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成21年11月13日閣議決定,平成21年11月18日公布・施行)」において局地激甚災害に指定し,三重県津市(旧美杉村)等6市町について,公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助及び農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等を適用し,さらに「平成21年等における特定地域に係る激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成22年3月12日閣議決定,平成22年3月17日公布・施行)」において,措置の適用対象市町村を追加した。

各府省の対応は, 附属資料3 のとおり。


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