3−5 チリ中部沿岸を震源とする地震による津波



3−5 チリ中部沿岸を震源とする地震による津波

(1)災害の状況

2月27日15時34分(チリ国現地時間同日3時34分),チリ中部沿岸を震源とするマグニチュード8.8の地震が発生した。我が国ではこの地震の影響から2月28日9時33分に青森県太平洋沿岸,岩手県,宮城県に津波警報(大津波)が発表されたほか,その他の太平洋沿岸全域などに津波警報(津波)が発表された。

これによる津波は,2月28日の午後から3月1日午前までの間に日本の太平洋沿岸など各地に寄せていて,高知県須崎港の検潮所で最大128cmを観測した。気象庁による現地調査の結果,津波の痕跡が平常時の潮位から最大1.9mの高さまで観測された。

この災害では人的被害が発生していないが,住家被害としては,宮城県,静岡県で,床上浸水6棟,床下浸水51棟が発生したほか,673,708世帯に避難指示・勧告が出された。

道路については,東名高速道路などで警報発表に伴う通行規制が行われ,最大時134区間の通行止めが発生した。

鉄道については,64区間で運転中止となった。

農林水産関係では,津波警報(大津波)の対象となった青森県,岩手県,宮城県を中心に養殖施設で16,506台,416柵に被害が発生した。

文教施設では,国立学校施設2校で被害が発生した。

公共土木施設,社会福祉施設では被害は生じていない。

(2)国等の対応状況

官邸には,緊急参集チームが参集し,津波の状況について情報の収集・分析を行い,住民の避難と被害を最小限とするための対策に万全を期すとともに,自治体との的確な連携を図りながら,政府一体となって適切に対応することなどを確認した。内閣府など関係省庁も情報収集体制を強化して対応を行い,さらには内閣官房長官及び防災担当大臣が,青森県,岩手県,宮城県の各知事とテレビ会議を実施し対応状況の情報共有を行った。

なお,「平成22年2月28日の津波による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成22年4月20日閣議決定,平成22年4月23日公布・施行)」により激甚災害として指定し,水産動植物の養殖施設の災害復旧事業に対する補助を指定した。併せて,大きな被害を受けた被災者の方々に対して必要な支援を講じ,災害復旧を促進する観点から補助対象の条件の見直しを行い,養殖施設の種類ごとに「被害額が2,000万円を超える」市町村も対象となるよう補助対象の拡大を図った。

各府省の対応は, 附属資料3 のとおり。


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