4−2 防災施設設備の整備
(1)活動火山周辺地域における農林水産業防災施設の整備
農林水産省においては,次の事業を行った。
a 火山地域防災機能強化総合治山事業
火山地域において,荒廃地等の復旧整備及び山地災害の未然防止を図るため,治山ダム,観測施設の設置等を行う事業を5地区について実施した。
(事業費 1,546,384千円/国費 831,000千円)
※ 第5章5−2(2)d水土保全治山事業 に含まれる。
b 火山治山激甚災害対策特別緊急事業
火山の噴火活動により著しく激甚な災害が発生した地区において,再度災害を防止するため,緊急かつ集中的に治山ダム工等による復旧整備を行う事業を1地区について実施した。
(事業費 2,150,700千円/国費 1,156,000千円)
※第5章5−2(2)d水土保全治山事業に含まれる。
(2)降灰対策用機械の整備
国土交通省においては,桜島降灰除去事業に必要な機械の更新を実施し,合計24台の道路降灰対策用機械による降灰除去作業を実施した。
(事業費 13,000千円/国費 7,150千円)
(3)火山砂防事業の推進
国土交通省においては,火山地域における住民の安全確保のため,ハード対策としての火山砂防事業,ソフト対策としての火山噴火警戒避難対策事業を推進した。
a 火山砂防事業の推進
火山地,火山麓地,又は火山現象により著しい被害を受ける恐れのある地域において,土石流,溶岩流,火山泥流等に対する砂防設備の整備を行った。
b 火山噴火警戒避難対策事業の推進
火山地域における住民の安全確保及び市町村が整備する火山防災ステーションにおける火山噴火時及び噴火後の緊急対策の実施のため,火山災害予想区域図の作成を推進するとともに,火山活動の状況及び異常な土砂の動き等を監視,情報伝達するために必要なワイヤーセンサー,雨量計,監視カメラや光ファイバ網等の整備を行った。
c 火山砂防激甚災害対策特別緊急事業
噴火等の活発な火山活動により激甚な災害が発生した一連地区において,火山泥流や土石流等の広域的かつ大規模な土砂災害に対処するため,平成13年度より火山砂防激甚災害対策特別緊急事業を創設し,一定計画に基づき一定期間内に(概ね5年)緊急的かつ機動的な火山災害防止対策のための砂防設備の整備を行った。
d 火山噴火対策の調査
火山活動による社会的影響の大きい火山からモデル火山を選び,火山噴火に起因する土砂災害による被害を最小限に抑えるために必要な応急対策や火山現象に応じ影響範囲等をGIS上でリアルタイムに予測する「リアルタイムハザードマップ」の作成等の火山噴火対策に関する調査を実施した。