東海地震対策

第10節 障害物の除去

1 担当
 住居に係る障害物の除去は、建設部住宅班、公共建築班及び建築保全班の担当とする。
2 対象
(1) 当面の日常生活が営めない状態にあること。
(2) 日常生活に欠くことのできない場所(居室、炊事場、便所、家の出入口等)に流入した障害物に限ること。
(3) 自らの資力では、障害物の除去ができない者
ア 生活保護法の被保護者及び要保護者
イ 特定の資産のない失業者、未亡人、母子世帯、老人、身体障害者、病弱者等
ウ 特定の資産のない勤労者及び中小企業者
エ 前各号に準ずる経済的弱者
(4) 住宅が半壊又は床上浸水以上の被害を受けたものであること。
(5) 除去の対象数は、半壊又は床上浸水の被害世帯の15%以内とすること。
(6) 対象世帯の選定については、自らの資力では除去ができない者のうちから、選考委員会の審査に対し、適正な選考を行い対象者を決定する。
3 除去の方法
(1) 除去に必要な機械器具の借上げ、人夫及び技術者を動員して障害物の除去に当たる。
(2) 対象者を選考のうえ、除去計画(仕様書)を作成し、直接、個々又は一括して業者に請け負わせて実施する。
 注 日常生活に欠くことのできない場所の障害物を応急的に除去するものであり、原状回復することではない。
4 費用の限度額
(1) 費用の支出範囲は、工事請負費又は直営工事による場合の除去に必要な機械、器具(ロープ、スコップ)等の借上料、輸送費、人夫賃とする。
(2) 1世帯当たりの限度額は、国の定める基準によるものとする。
5 除去の期間
 災害発生の日から10日以内とする。ただし、厚生大臣の承認を得て、延長することができる。
 なお、市職員だけで対応できない場合は、次の事項を示して、県に応援を要請する。
(1) 除去を必要とする住宅等の戸数(一部損壊・半壊等別)
(2) 除去に必要な期間
(3) 除去に必要な人員
(4) 除去に必要な機械器具の品目別数量
(5) 除去した障害物の集積場所の有無
6 実施状況報告及び整備書類
(1) 実施状況報告
ア 障害物除去対象数(申込みのあったとき及び選考決定したとき。)
イ 除去の日時、場所、実施者、作業の進行状況、使用機械器具、経費等、必要事項を報告する。(日報)
(2) 整備すべき書類
ア 障害物除去実施状況
イ 障害物除去関係物資受払簿
ウ 障害物除去の工事関係書類(契約書、仕様書等)
エ 障害物除去費支払関係証拠書類

第11節 応急仮設住宅の設置と住宅の応急修理

 災害のため住宅に居住できなくなった被災者は、応急収容施設に収容され保護を受けることとなる。しかし、これは、災害直後における一時的措置として短期間に限定される。そこで被災者のうち、住宅が全壊、全焼又は流出し、居住する住宅がなく、かつ、自らの資力では住宅を確保することが困難な者に対し、応急仮設住宅を建設し、収容することになる。また、住宅が半壊又は半焼した者のうち自らの資力をもっては住宅の応急処理を実施できない者に対し、居室、炊事場、便所等最小限度の日常生活を維持するために欠くことのできない部分については、応急修理を行い、居住の安定を図ろうとするものである。
 従って、発災後直ちに被災状況や全壊戸数、避難所生活世帯等を把握しなければならない。
 なお、応急仮設住宅の建設、入居者の認定及び住宅の応急修理については、災害救助法が発動された場合は、知事が行うのが原則であるが、知事から委任を受けたときは、(社)プレハブ建築協会の協力を得て市長が行う。
 担当は、建設部公共建築班及び建築保全班とする。
1 応急仮設住宅
(1) 応急仮設住宅建設戸数
 応急仮設住宅設置戸数は、り災世帯数の30%以内とする。
 ただし、災害救助法適用市町村の県全体の対象世帯数の30%以内まで融通できる。
(2) 応急仮設住宅の建設基準
ア 工事の実施
 直営又は業者に請け負わせて建設する。
イ 構造及び規模
 構造は1戸建て、長屋建式又はアパート式の建築とし、1戸当たりの規模は、29.7平方メートル(9坪)を基準とする。
ウ 着工期間
 原則として、災害発生の日から20日以内に着手する。
エ 工事費の限度額
 1戸当たりの限度額は、知事の定める基準によるものとし、不足分については、市が負担するものとする。
(3) 応急仮設住宅の建設予定地
ア 公有地、民有地を問わず、選定、整地等に日時を要しない場所とする。
イ あらかじめ建設予定地を定め、災害の状況に応じて選定する。
ウ 民有地については、土地使用契約を締結し、借地料は、市の負担とする。
(4) 供与期間
 応急仮設住宅の供与期間は、収容の日から2年以内とし、入居契約書を締結し、後日の立退き等に問題を生じないよう配慮する。
(5) 入居者の認定
ア 避難所生活世帯に対する入居意向調査等を実施する。
イ 入居者の認定を県から委任された場合は、被災者の特性や実態に応じた配慮を行いながら、自らの資力では住宅を確保できない者のうちから認定し入居させる。
(6) 応急住宅の管理
ア 住宅使用契約書と住宅台帳を作成し、応急住宅の入退手続き・維持管理を行う。各応急住宅ごとに入居者名簿を作成する。
イ 入居者調査、巡回相談等を実施し、応急住宅での生活に問題が生じないように努める。
(7) 建設資材、建設業者の調達及びあっせんの要請
 応急仮設住宅の建設に必要な業者が不足し、又は建築資機材が調達できない場合は、次の事項を示して、県にあっせん又は調達を要請する。
ア 被害戸数(全壊、全焼及び流出戸数)
イ 設置を必要とする住宅の戸数
ウ 調達を必要とする資機材の品名及び数量
エ 派遣を必要とする建築業者数
オ 連絡責任者名
カ その他参考となる事項
(8) 細目等
 別に定める応急仮設住宅設置要領によるものとする。
2 住宅の応急修理
(1) 応急修理の対象
ア 住宅が半壊、半焼又は一部損壊した場合で、応急修理を行うことにより、居住可能となる住宅とする。
イ 自らの資力により応急修理を行うことができない者とする。
ウ 半壊、半焼又は一部損壊の世帯数の30%以内とする。
(2) 応急修理の部分
 日常生活に欠くことのできない部分(屋根、居室、炊事場、便所等)に限る。
(3) 修理費用の限度額
 1戸当たりの限度額は、知事の定める基準によるものとする。
(4) 期間
 原則として、災害発生の日から1ヵ月以内に完了する。
(5) 対象者の認定
 対象者の認定については、自らの資力では住宅を応急復旧できない者のうちから、選考委員会の審査に付し、適正な選考を行い、対象者を決定する。
(6) 建設資材、建設業者等の調達及びあっせんの要請
 住宅の応急修理に必要な業者が不足し、又は建築資機材が調達できない場合は、次の事項を示して、県にあっせん又は調達を要請する。また、住民が自力で実施する住宅の応急修理に必要な建築業者又は建築資機材が不足した場合も同様とする。
ア 被害戸数(半壊、半焼戸数及び一部損壊)
イ 修理を必要とする住宅の戸数
ウ 修理を必要とする資機材の品名及び数量
エ 派遣を必要とする建築業者数
オ 連絡責任名
カ その他参考となる事項
(7) 自力応急復旧の促進
 住民が自力で実施する応急復旧について促進する。
(8) 細目等
 別に定める応急修理実施要領によるものとする。
3 市営住宅等の一時入居
(1) 状況に応じ、応急住宅として活用可能な市営住宅の空家状況を把握する。
(2) 市営住宅の空家へ必要に応じ、被災者を一時的に入居させる。
4 民間賃貸住宅の応急住宅としての活用
 民間賃貸住宅を必要に応じ、応急住宅として確保する。なお、不動産業界団体等に対し必要に応じ、協力を要請する。

第12節 自主防災組織の実施事項

1 自主防災組織は、可能な範囲においてたすけあい運動、共同備蓄物資の点検及び確認の措置を行う。
2 自主防災組織は、地域事務所と連携をとり、地域の防災活動を実施する。
(1) 情報の収集、伝達
(2) 出火防止、初期消火の活動
(3) 共同避難による弱者の保護
(4) 防災用資機材の配備または活用

第13節 相談所の開設

1 総合相談所の開設
(1) 被災住民の生活の不安を解決するため、総合相談所を開設し、各種の生活相談に応ずる。
(2) 災害対策本部の指示に基づきライフライン関連企業及び市関係各課により構成する。
2 建築相談窓口の開設
建築相談窓口を設け、住宅の応急復旧、障害物の除去、応急危険度判定等に必要な技術指導、融資制度の利用方法等についての相談に応ずる。
 市職員だけで対応できない場合は、県に対し必要な職員の派遣を要請する。

第14節 義援金等の支給

 被災住民の生活を支援するため、日本赤十字社等からの義援金等を、り災証明発行後公民館等で支給するものとする。

第15節 災害弱者への配慮

1 基本方針
(1) 高齢者、障害者、病弱者、乳幼児、妊産婦及び日本語を解さない外国人等の災害弱者に対し、迅速、適切な対応を図る。
(2) 相互扶助の精神
自主防災組織、老人会、婦人会等の地域住民組織は、相互に協力し、平常時から災害に関する各種情報や地域特性を把握し、発災時の防災活動方針を計画しておくよう努めるとともに、発災直後は、地域住民自らが助け合い、特に高齢者や障害者等の災害弱者の安否確認及び救護等を実施するよう努める。
2 福祉行政と自主防災組織等との連携
災害弱者への配慮は、福祉行政と自主防災組織、民生児童委員、その他支援団体等と連携し、実施する。
3 在宅災害弱者の安否確認及び収容
(1) 災害対策本部(福祉担当部及び関係部・班)及び自主防災組織等は、災害弱者を事前に把握し、地震発生時には、支部情報班及び避難地運営班及び現地活動部は、自主防災組織等と協力し、安否確認を行うとともに、被災あるいは自宅に取り残された災害弱者を収容避難所へ収容し、状況に応じて要援護者等収容避難所(老人福祉施設及び民間社会福祉施設)等への収容に努める。
(2) 在宅災害弱者の安否確認情報等の集約は、以下の系統による。
 避難地運営班・現地活動部及び自主防災組織等による情報収集→支部情報班→本部情報部・情報班(交通安全課)及び福祉担当部・班→救出・救護及び各部・班による応急対策に反映
4 視聴覚障害者に対する情報提供
(1) 災害対策本部(福祉担当部及び関係部・班)は、手話通訳者、盲人ガイドヘルパー、要約筆記者等のボランティアを要請し、視聴覚障害者に対する支援体制を確立する。
(2) 情報部・広報班は、ラジオ、テレビ放送、広報紙、広報車等の様々な媒体を利用し、また障害者等の支援団体に情報を提供することにより、視聴覚障害者に確実に情報が伝達されるよう配慮する。
5 日本語を解されない外国人への情報提供
 情報部・広報班及び国際・女性政策課は、通訳ボランティア等の協力を得て、英語等による相談窓口、電話相談等を行うとともに、外国語による広域紙の配布等に努める。
6 要援護者等収容避難所における配慮
 救助部・収容班及び保健福祉部は、介護が必要で、収容避難所での集団生活が困難な高齢者、障害者等に対しては、要援護者等収容避難所に収容し、訪問看護の看護婦、ホームヘルパー及び福祉ボランティア等の協力を得て、避難生活の援護を行う。
7 応急仮設住宅における配慮
 高齢者等の災害弱者に対しては、保健婦等の巡回サービス及び保健福祉ニーズの把握に努め、適切なサービスが受けられるよう援護する。
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