阪神・淡路大震災教訓情報資料集【04】恒久住宅への移行措置

教訓情報資料集

参考文献を含む詳細ページ(PDF)はこちら (PDF形式:274.8KB)別ウインドウで開きます

  • 4.第3期以降も続く課題(地震発生後6ヵ月以降)
    • 4-01.生活の再建
      • 【04】恒久住宅への移行措置
        • 01.仮設住宅からの移行はなかなか進まず、兵庫県では、恒久住宅への移行を支援する「恒久住宅への移行のための総合プログラム」を作成した。
          • 01) 兵庫県は、県内の応急仮設住宅について98年9月までには全て解消する計画であったが、神戸市で民間住宅の借上げが予定通り進まないなどの理由により、その全面解消は2000年までずれ込むとされた。
          • 02) 96年7月23日、兵庫県は「恒久住宅への移行のための総合プログラム」を決定。8月には「ひょうご住宅復興3カ年計画」を改定した。
          • 03) 97年2月21日、兵庫県は3カ年計画の最終年度に向けて「住まい復興詳細プログラム」を決定。民間賃貸入居者支援、持ち家再建支援の拡充、「白地地域」対策を盛り込んだ。
          • 04) 99年10月末時点で、災害復興公営住宅等の戸数は計画を上回る42,000戸が整備され、公的住宅全体の供給見込み数も計画を上回る見込みで、総量的には目標が達成された。□
          • 05) 95年2月から98年3月までに、神戸すまい復興プランの計画戸数72,000戸に対して、神戸市内で120,107戸が供給された。□
          • 06) 恒久住宅への早期移行を図るため、兵庫県は99年2月に「生活復興支援プログラム3」を策定した。◎
          • 07) 恒久住宅への移行策を検討するために必要な仮設住宅居住者の状況を把握するため、悉皆調査が行われた。☆
          • 08) 神戸市は、入居促進の統括的な役割を果たす入居促進センターを開設した。●
        • 02.災害復興公営住宅等への入居については、一元的に募集が行われることとなり、応急仮設住宅入居者枠の設定もなされた。また県外被災者も対象とされることとなった。
          • 01) 県・市町・公団・公社により構成される災害復興賃貸住宅管理協議会が一元的に募集を実施。
          • 02) 応急仮設住宅入居者枠の設定がなされた。仮設住宅から恒久住宅への移転に力点がおかれ、非仮設住宅入居者との格差を問題視する声もきかれた。
          • 03) 災害復興公営住宅等への入居については、遠方へ避難している被災者(県外被災者)も対象となった。
          • 04) 発災後3年で単身被災世帯の入居条件に関する優遇措置が廃止されることから、第四次募集の再募集、斡旋登録などの救済措置が行われた。
          • 05) 災害復興公営住宅の入居者の多くが高齢者というのは、やむを得ないという面もあるが、まちのにぎわい等の面から、災害復興公営住宅入居者を被災者に限定する基準を見直していく必要があるという指摘がある。□
          • 06) 恒久住宅の確保や生活支援へのきめ細かで総合的な相談・支援を行うため、生活支援アドバイザーが設置された。□
          • 07) 立地条件や団地の規模など復興公営住宅団地の環境は、その後のコミュニティ形成、生活復興感にほとんど影響を与えていない。★
          • 08) 管理体制の立上げ支援として、自治会等と連携して問題に対応する「いきいき県住推進員」の設置等が行われた。▼
        • 03.災害復興公営住宅等への入居者募集状況は、公営住宅と既成市街地に偏り、地元志向の強さが明らかとなった。
          • 01) 兵庫県の災害復興公営住宅等への第2次募集(96年7月~8月)では、応急仮設住宅からの申込が約半数で、そのほとんどが公営住宅を希望し、比較的家賃が高くなる準公営住宅等への申込件数はわずかだった。
          • 02) 第2次募集では、神戸市の中央区、兵庫区、長田区などは倍率が20倍程度となり、北区、垂水区、西区は2~4倍に留まった。
          • 03) 自営業者をはじめ、通勤や通院などの面から従前の居住地へのこだわりは強かった。しかし、郊外仮設入居者のなかには、環境の良さを気に入り、近くに建設される公営住宅を希望する人も少なからずいた。
          • 04) 応募の偏り等の状況に対し、供給計画の見直しや情報提供の工夫が行われた。☆
          • 05) 「戻りたい」という場所は、単なる物理的空間ではなく社会的空間だとの指摘がある。▼
          • 06) 8ブロックという地域区分では、立地限界層のニーズにきめ細かく対応することは困難であった。▼
        • 04.資金面の各種支援も行われた。被災者生活再建支援法が成立し、阪神・淡路大震災に関しても、これと同程度の措置がはかられることとなった。
          • 01) 公的住宅の第二次募集入居から、県営・市営住宅の多くで敷金が2分の1以下となるような措置がとられた。
          • 02) 97年8月には応急仮設住宅から恒久住宅に移った被災高齢者らを対象に1ヶ月2万円前後を支給する生活支援策も実施された。
          • 03) 兵庫県では、恒久住宅への移転に伴う諸経費(引っ越し費用等)に当てるための実質無利子の貸付、被災者に対して無利子の生活復興資金貸付も行われた。
          • 04) 貸付については、据置期間後からの返済が不可能である住民が多いとの指摘もある。
          • 05) 被災者生活再建支援法(98年5月22日公布)が成立し、阪神・淡路大震災に関しても、これと同程度の措置がはかられることとなった。
          • 06) 被災者自立支援金の支給が受けられなかった被災者が、復興基金に支払を求めた裁判が行われた。▲
          • 07) 苦しい経済的状況にあった一部の中堅層にほとんど支援がまわらないといった事態も生じ、より多様な評価項目を支援対象・内容決定のために設定すべきとの意見がある。▼
          • 08) 段階的に支援策の拡充が行われたことについては、臨機の対応として肯定的評価と、五月雨式との批判的評価がある。▼
          • 09) 住宅復興には戸当たり平均2000万円近い金額が投入されたとの指摘がある。▼
            • 05.恒久住宅への移行を図るため、公営住宅、民間賃貸住宅入居者に対して家賃の減額・補助対策が実施された。
              • 01) 震災特別減額制度により市街地の40平方メートルの公営住宅で入居者負担月額6,600円となるような措置がとられた。
              • 02) 民間賃貸住宅の入居者に対しても家賃負担軽減措置がとられた。減免や補助が5年間に限られることから、その後の対応策が必要との指摘もある。
              • 03) 公営住宅への入居や持家再建にしばらく時間が必要な世帯に対しては、その間の仮設住宅からの早期移行対策として、民間住宅への一時入居に対する家賃補助なども行われた。

          目次へ戻る

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.