阪神・淡路大震災教訓情報資料集【01】仮設住宅の生活と支援

教訓情報資料集

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  • 4.第3期以降も続く課題(地震発生後6ヵ月以降)
    • 4-01.生活の再建
      • 【01】仮設住宅の生活と支援
        • 01.仮設住宅の入居者には高齢者・低所得者も多かった。
          • 01) 仮設住宅の入居者は65歳以上の高齢者が3割以上を占め、「超高齢社会」が出現した。
          • 02) 主な収入源は、年金、恩給による世帯が多く、職についていない世帯も多かった。
        • 02.孤独死の発生や健康状態が悪い入居者が多いことから、様々な対応が図られた。
          • 01) 95年5月以降に仮設住宅独居者の死亡が相次ぎ、「孤独死」として次第に社会問題化した。
          • 02) 50代と60代の男性は、孤独死のハイリスクグループであるとされた。
          • 03) 死亡者の多くは、無職または不安定なパート労働者だった。自宅への閉じこもり・対人関係の断絶により、過度のアルコール摂取、不十分な栄養、慢性疾患の放置などの結果が孤独死となった。
          • 04) 神戸市は、96年末に市内の仮設住宅の全戸健康アンケートを初めて実施し、早急に対応を要する685人を「早急要対応者」と認定した。
          • 05) 被災世帯の健康調査では、病気、体調、精神面への影響があることが明らかとなった。
          • 06) 行政、ボランティアによる様々なケアやコミュニティづくりの支援が展開された。
          • 07) コミュニティづくり等の支援策として、特にふれあいセンターの役割が評価された。☆
          • 08) 明石市のケアネットシステムが、様々な関係機関が連携し、仮設などで暮らす高齢者や障害者を支える取り組みとして注目された。☆
          • 09) コミュニティをベースとする地域団体と、福祉や医療等の専門性を持つ外部のボランティアとの連携が行われた。▼
          • 10) 個別訪問の形をとりながら巡回する各種支援者が多数できたが、そのことによる課題もあった。▼
          • 11) 仮設住宅世帯は、自覚症状の多い割に、一般世帯に比べて医療・保健に関する行政サービスに対する希望の声が挙がっていなかった。▼
          • 12) 被災高齢者などへの生きがい作り支援が欠かせない活動となった。▼
        • 03.当初は居住環境の問題も多くあり、改善が進められた。
          • 01) 高齢者や身体障害者には使い勝手が悪いなどの問題があり、ボランティア等による改善も行われた。
          • 02) 隣の物音が響く、夏は暑く、冬は寒い、1人暮らし以外の入居者には狭いなどの問題もあり、改善が図られた。
          • 03) 特に、郊外の仮設入居者から周辺環境に関する苦情が多く出され、街灯の取り付け、通路のぬかるみ防止、排水溝の設置、自動販売機の設置、大規模団地への商店の誘致などが行われた。
          • 04) 仮設住宅から災害復興公営住宅に移った被災者へのアンケートでは、新しい友人ができたなど、仮設住宅での生活を評価する結果も得られている。
        • 04.入居が長期化する中、多人数世帯への対応、空き家利用など、解消までには様々な措置がとられた。
          • 01) 多人数世帯への対応として、多人数世帯の分離、通院等に重大な支障がある世帯の通院先の医療機関に近い住宅への住み替えが行われた自治体もある。
          • 02) 空き家については、多人数世帯についての2室入居、遠方の仮設からの転居、被災住宅の修理等で臨時に家屋が必要になった世帯の利用などに利用された例もある。
          • 03) 供与期間の延長を認める特例法によって応急仮設住宅の供与期間の延長が認められることとなったが、それに伴う改良改善、補修の実施主体が課題となった。
          • 04) 退去者が増えるにつれて、自治会活動の担い手不足が問題となっていった。
          • 05) 統廃合も課題となった。用地提供者である企業等に対して期間延長の要請がなされた。移転費用の補助も検討された。
          • 06) 地震発生から約5年を経過した2000年1月に、仮設住宅入居者は0となった。◎
          • 07) 倉庫利用など悪質な仮設住宅利用者に明け渡しを求める際には、提訴等の法的措置も講じられた。◎
          • 08) 仮設住宅に住み続ける世帯の、個別の事情に応じたきめ細かな対応を検討するため、生活支援委員会、生活支援マネジメントシステム等が導入された。◎
          • 09) 撤去後の仮設住宅は、海外の被災地への提供などにより再利用されたものもある。◎

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