阪神・淡路大震災教訓情報資料集【01】食糧・物資供給体制の再構築

教訓情報資料集

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  • 2.第2期・被災地応急対応(地震発生後4日~3週間)
    • 2-02.被災生活の支援・平常化
      • 【01】食糧・物資供給体制の再構築
        • 01.当初、市役所・区役所などが行っていた物資(食糧を含む)の配給は、専門の流通業者、食品会社(製パン会社等)へ配送を総て委託することによって、徐々に円滑に行われ始めた。
          • 01) 神戸市で、2月1日より避難所への食糧配給を製パン業者等計8社に直送委託したのをはじめ、各市でも弁当の業者直送などが開始され、安定した食糧供給ができるようになった。
          • 02) 救援物資等の物資の配送については、神戸市のように配送拠点を設置して専門運送業者へ委託した自治体もある一方で、西宮市のようにボランティア組織の大きな支援を受けて実施したところもあった。
        • 02.全国・全世界から様々な救援物資が到着したが、膨大な物資を受け入れ、仕分け、配布するには多くの人手が必要となった。個人などから送られた義援物資の中には、利用できないものもあった。
          • 01) 無料化されたゆうパック(郵便小包)などによって、全国の個人から様々な品が義援物資として送られた。
          • 02) 大量に届く神戸市災害対策本部宛の救援用小包は、郵便局で“事前開封”し、仕分けした後に配送拠点へ送付するという特例もとられた。
          • 03) 殺到した物資の仕分けには、多くの人手がかかった。
          • 04) 送られてきた義援物資の中には、汚れたもの、使えないものなどが含まれていた例もあった。
        • 03.海外からの救援物資も数多く届けられ、その受け入れ体制が急きょ整えられた。
          • 01) 海外76ヶ国から、人的・物的支援の申し入れがあり、44の国・地域からの支援を受け入れた。
          • 02) 海外からの救援物資の受け入れにあたっては、通関手続き簡素化、関税非課税扱いなどの特例措置がとられた。
          • 03) 海外から送られた物資の中には、生活習慣の違いから役立たないもの、時期を逸したものなど、利用できないものもあった。
          • 04) 海外からの救援受け入れについては、国としてその体制の整備が必要との指摘がある。▼
        • 04.避難者ニーズは時々刻々と変化し、ニーズを把握しての適切な対応は難しかった。
          • 01) 避難者のニーズは、震災直後の水、食料などから、徐々に避難所運営のために必要な物品、一般的日用生活品などへと変化した。
          • 02) ニーズの把握は困難でタイムリーな対応は難しかった。また、報道を通じての支援呼びかけはタイムラグがあったため時期を逸した救援物資が届いた。
          • 03) アトピー、アレルギー症の被災者などの特殊なニーズへの対応も、民間ベースで行われた。
          • 04) 被災者のニーズに対応し、現物支給以外の方法も検討されるべきとの指摘がある。▼
            • 05.弁当による栄養の偏りなどが発生したため、食費単価が変更され、野菜類の追加などが行われた。また、ボランティア等による炊き出しも実施された。
              • 01) 避難所に配布されていた弁当等は、当初は栄養的に偏っていた面もあった。
              • 02) 避難所の炊き出しを支援するために、県により炊き出しメニューが作成され配布された。
              • 03) 炊き出し用の食材・調味料を支給したり、食材購入用の購入切符を配布した自治体もあった。
              • 04) 3月に入って、災害救助法に基づく食事給与基準単価の特別基準適用がなされ、1人一日850円から1,200円へと変更された。
              • 05) 徐々にメニュー内容に工夫がこらされ、また野菜の提供なども行われた。
              • 06) 暖かい食事の要望に対して、ボランティア、自衛隊などによる炊き出しが実施された。
              • 07) 被災地内の飲食店、小売店が復旧するにつれて、ボランティア等による食料・物資の無償配布がそれらの営業を妨げることが問題だという指摘がなされた。(→「第2期 被災地応急対応,IV.ボランティア,C.ボランティアの問題点」参照)

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