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阪神・淡路大震災教訓情報資料集【04】水道事業者の緊急対応

阪神・淡路大震災教訓情報資料集

教訓情報資料集


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  • 1.第1期・初動対応(初動72時間を中心として)
    • 1-09.ライフライン関係の緊急対応
      • 【04】水道事業者の緊急対応
        • 01.自然流下式の神戸市の上水道では、配水池の水位が急激に下がった。しかし拠点配水池では、緊急遮断弁が機能して市民の10日分の飲料水が確保された。
          • 01) 神戸市では、地震後1~2時間で「水位ゼロ」となった配水池が19箇所にのぼるなど、配水管・給水管被害による大量の水が流失した。
          • 02) 神戸市は上水道の2池構造の配水池の一方に緊急遮断弁を取り付けて、緊急時に飲料水を確保する対策を計21ヶ所の配水池で行っていた。この対策により、18の配水池で緊急遮断弁が作動し、計4万トンの飲料水が確保された。
        • 02.消火栓が使用不能となり、神戸市水道局は、水漏れを覚悟で残った水を火災の激しい地域に送水すべきか、命を支える飲料水として確保すべきかの選択を迫られた。
          • 01) 配水管・給水管の漏水事故が同時多発的に発生したため、配水管の水圧が短時間に低下・消失し、十分活用できない消火栓が多数発生した。消火栓が使用可能であったのは僅かで、地震後20分で水が得られない消火栓もあった。
          • 02) 神戸市奥平野浄水管理事務所では、消火用水を送水すべきか否か検討し、一度配水を中止して水を配水池にためてから、火災の激しい地域に送水した。
        • 03.対応に当るべき関係者や関係施設に甚大な被害があったために、地震直後の参集や状況の把握、対策方針構築に時間を要した。
          • 01) 神戸市では、水道局庁舎圧潰、東部営業所(上部の市営住宅部圧潰)、西部センター(一部類焼)などの被害を受けたため、情報の収集や伝達に大きな支障を生じた。
          • 02) 被害の大きかった地域では、応急対応に必要な人員の参集に時間を要したが、それでも当日中に応急体制が確立した。
        • 04.兵庫県では、急きょ企業庁が緊急給水の実施、水道復旧工事を担当することとなり、給水車を手配した。当日は、1リットル/人・日以上確保できるよう各市町の人口をベースに配車計画をたてた。
          • 01) 県地域防災計画で水道の確保の担当となっていた保健環境部は、遺体処理、ガレキなどの業務が集中していたため、県企業庁が中心となって緊急給水の実施、水道復旧工事及び情報収集・各報道機関との対応等を行った。
          • 02) 当日は、1リットル/人・日以上確保できるよう各市町の人口をベースに配車計画がたてられた。
        • 05.各市町では、他都市、自衛隊などの応援を受けて応急給水活動にあたった。当初は、病院や避難所が優先されたが、後に常設給水栓なども設置された。
          • 01) 神戸市では、震度5を想定して緊急遮断弁や緊急貯水槽を設置する一方で、タンク車などの応急給水設備を保有していたが、それでは十分対応することはできなかった。
          • 02) 県および各市町の要請などにより、自衛隊、他都市、ボランティアの給水車による給水支援が行われた。
          • 03) 病院等における医療用水の確保が問題となった。当初は公立病院中心の給水となったが、1月21日から県企業庁が各医療機関へ直接連絡をとり、要望があり次第給水するという体制がとられた。
          • 04) 市民の間では、ふだんは使われていない井戸水や、破損した水道管から流出する水も利用された。細菌等による汚染が懸念されたため、厚生省は報道機関等を通じて注意を促した。
          • 05) 震災直後の応急給水は、主として病院や避難所などを優先に実施された。
          • 06) 給水車受入先の調整の混乱や交通渋滞のほか、当初は給水場所に関する広報が不十分だったこともあり、市民に対して計画的給水を行うことは困難だった。
          • 07) 市民の側も、給水車からの給水を受け取る容器がなく、また重い水を運ぶことは非常に困難だった。明石市では、地震対策として整備されていた飲料水袋詰め装置も使われた。
          • 08) 海上自衛隊、海上保安庁、民間の船舶により、臨海部の11箇所で給水が行われ、交通渋滞の影響を受けない給水補給拠点として効果的だった。
          • 09) 常設給水栓の設置や、応援による給水車の台数の増加、配水管の復旧に伴う消火栓利用などにより、1人当りの給水量も増加していった。
        • 06.震災直後から水質検査、消毒強化などが行われた。応急給水で用いられたポリ容器の保存性能に関する調査も行われた。
          • 01) 神戸市では、応急給水に関する水質監視が震災当日から行われた。当初の検査項目は現地における遊離残留塩素、色、濁り、外観であった。
          • 02) 応急給水用のポリ容器の保存性能に関する問い合わせも多かったので、神戸市ではタンク色別の残留塩素残存率等が調査された。
          • 03) 被害の大きかった阪神水道企業団、神戸市、西宮市などでは、汚水混入の恐れがあったため消毒強化が行われ、配水池、給水栓についての水質検査も行われた。
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