阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】トイレの確保とし尿処理

教訓情報資料集

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  • 1.第1期・初動対応(初動72時間を中心として)
    • 1-08.保健衛生
      • 【02】トイレの確保とし尿処理
        • 01.断水により水洗トイレが利用できなくなったため、避難所などでは汚物の山ができた。プールの水を利用するなどの工夫をこらしてトイレを確保したところもあった。
          • 01) 施設内のトイレだけでなく、庭、側溝などあらゆる場所に糞便の山ができた。
          • 02) 学校等の避難所ではでは、糞便を流すためにプールの水を運ぶ、糞便をビニール袋に入れて清掃する等、断水の中で水洗トイレを利用する工夫がこらされた。
          • 03) 断水のために使えない自宅の水洗トイレを使うために、大量のトイレ用水の確保が必要となり、ボランティアの支援が大きな力となった。★
        • 02.仮設トイレの確保が急務だったが、その供給には時間がかかった。また、せっかくの仮設トイレも、高齢者や身体障害者などにとっては利用しにくいものだった。
          • 01) 神戸市では、被害状況を正確に掴めず、当初は仮設トイレ300基程度で足りると考えていたが、1月22日には「仮設トイレ対策本部」を設置し対応することとなった。
          • 02) 被害が比較的小さかった地域では、この日のうちに仮設トイレが設置されたところもあった。しかし、神戸市で全避難所に仮設トイレが行き渡ったのは発災後、約2週間を経てからであった。
          • 03) 神戸市には、他都市、業界等からの仮設トイレ支援が約3,000基に達したが、受入れのための仮置き場の確保が大きな課題となった。ポータブルトイレも提供され、高齢者や病人を抱える家庭等で利用された。
          • 04) 神戸市では、仮設トイレの設置目標を順次高め、当初は避難者150人に1基、次いで100人に1基を目標にした。100人に1基行き渡った段階で設置についての苦情はかなり減り、75人に1基達成できた段階では苦情が殆どなくなった。
          • 05) トイレに行けず、トイレを控えようとした避難者もいた。なかには、手にすることができたわずかな食料や飲料水さえ口にしなかった避難者もいる。また、せっかくの仮設トイレも、高齢者や身体障害者などにとっては利用しにくいものだった。
        • 03. 避難所などからは、くみ取り要請が数多く出されたが、水洗化率の高い都市部では、市有バキューム車が少なく、被災地外からの応援を受けた。神戸市では、仮設トイレの使用方法に関するリーフレットを配布して対応した。
          • 01) 神戸市では、市有バキューム車が不足。バキューム車を所有する神戸水質保全協同組合では、ほとんどの業者が被災してし尿収集にあたることが困難であったため、全国環境整備事業協同組合連合会や他都市(2市)の支援を受けた。すべての仮設トイレの設置場所の把握は困難だったこともあり、苦情も多かった。
          • 02) 水洗トイレしか知らない市民には仮設トイレの正しい使用方法がわからず、汚物が少しでもたまると申告をしてくる状態であった。仮設トイレの使用法に関するチラシが作成・配布された。
        • 04.神戸市では、収集されたし尿は、前処理を行わず下水処理場へ直接投棄された。機能停止した東灘下水処理場受け持ち分については、し尿中継車により中継し、ポートアイランド下水処理場で処理された。
          • 01) 神戸市では、効率的な収集作業を行うべく、垂水下水処理場及びポートアイランド下水処理場にし尿を直接投入した。
          • 02) 機能停止した東灘下水処理場では、し尿中継車両(15トンの大型タンクローリー車2台)が配置された。

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