阪神・淡路大震災教訓情報資料集【02】人的被害

教訓情報資料集

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  • 1.第1期・初動対応(初動72時間を中心として)
    • 1-01.被害発生
      • 【02】人的被害
        • 01.震災による死者は6,434人に及び、高齢者、低所得者、外国人などが多く犠牲になったとされている。
          • 01) 震災による死者数は、災害発生後の疾病による死者(後述の「震災関連死」)を含め、6,434人にのぼった。
          • 02) 年齢別では高齢者の死亡数が多く、死亡率としても80歳以上の死亡率が高くなっているが、一方で20歳代の死亡率の高さも指摘された。
          • 03) 犠牲者のほとんどは自宅における死亡であり、戦前の木造住宅が比較的多く残存していた地域での死者が多かったとされる。
          • 04) 外国人の死亡率は、日本人の死亡例と比較して高かった。
          • 05) こうした死亡率の違いについては、死因等に関するより詳細な分析を通じて、今後の防災対策へ反映していくことの必要性が指摘されている。
        • 02.死者のほとんどは圧迫死による即死状態だったが、一部には火災等、他の原因による死者も報告されている。
          • 01) 震災による死亡者の9割以上は死亡推定時刻が当日6時までとなっており、ほとんどが即死状態だったとされている。
          • 02) 死因のほとんどは、家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死だった。
          • 03) 火災、精神的ショック、閉じ込めによる死者や、病院で人工呼吸中の患者が停電による酸素供給停止による死亡例も報告されている。
          • 04) 火災が発生した地域では焼死者が多いとの指摘がある一方で、火災による死者とされている中には、死後に火災に巻き込まれて遺体が焼失したものも含まれているため、実際の焼死者数はより少ないとの指摘がある。
          • 05) 淡路島洲本市では、都市ガスの埋設管からのガス漏れによる一酸化炭素中毒で一家4人が死亡した。
        • 03.震災による負傷者は約43,800人にのぼり、その多くは家具などの転倒、家屋の倒壊、落下物などによるものだった。
          • 01) 震災による負傷者は、重傷約8,800人、軽傷約35,000人の計43,800人にのぼった。
          • 02) 負傷原因に関する詳細なデータは多くないが、数少ないデータによると、その多くは家具等の転倒、家屋の倒壊、落下物などによるものとされている。
          • 03) 実際の負傷者数は、把握されている数字をはるかに上回るとされている。☆
        • 04.震災直後の救出活動は「生存者優先」とせざるを得ない場合も少なくなかった。時間経過につれ、救出時の生存率は低下した。
          • 01) 数多くの人が生き埋めになっている状況下では、生存可能性の高い人を優先して救出する必要があった。
          • 02) 神戸市消防局と自衛隊による救出時の生存率は初日の約75%が3日目には15%程度となるなど、時間を追うごとに救出時の生存率は低下した。
        • 05.震災に伴う過労や環境悪化等による病死などの二次的犠牲者も多く発生したが、これらの内科的死因に基づく死亡も「震災関連死」として認められた。
          • 01) 震災に伴う過労、病死など、二次的・内科的原因による死者などが「震災関連死」として認められ、災害弔慰金の支給対象となった。
          • 02) 「震災関連死」として認定された死者数は約900人にのぼったが、死亡統計の解析などからはさらに多い可能性も指摘されている。
          • 03) 「震災関連死」の認定基準が明確でなかったため、神戸、尼崎、西宮など6市では認定のための委員会等が設置され、医師・弁護士などによる判定が行われた。
          • 04) 災害関連死の多くは心疾患・肺炎であり、高齢者が多かった。

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