教訓情報資料集
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- 1.第1期・初動対応(初動72時間を中心として)
- 1-01.被害発生
- 【01】地震動と地質・地盤
- 01.内陸断層近傍域の強烈な地震動が大都市圏を襲った。
- 01) 今までの耐震設計基準の中には直接的には考慮されていなかった内陸断層近傍域の強烈な地震動が大都市圏を襲った。
- 02) ただし、今回の地震の強震動は、最大加速度や速度をみる限りこれまでの地震に比べて決して大きいものではなく、今回の地震の破壊力をあまりに強調しすぎることは問題との指摘もある。
- 03) 不整形地盤における焦点効果と軟らかい表層地盤による増幅の相乗効果によって、長さ約20km、幅約1kmの「震災の帯」が形成され、気象庁により「震度7」とされた。
- 04) 震源距離が6kn程度までは全壊率は非常に大きく、震源距離が6kmを超えると急に全壊率は減少し、震源距離が10km以上となると全壊率は数%であった。
- 05) 山陽新幹線の高架橋落下や死亡者などの被害分布から、旧河道・埋没旧河道などに被害が集中したとの指摘もある。
- 02.埋立地を中心に広範囲に亘って液状化が生じ、構造物基礎およびライフライン埋設管路に甚大な被害が発生した。
- 01) 埋立地盤が広範囲に亘って液状化を生じ、構造物基礎およびライフライン埋設管路に甚大な被害が発生した。
- 02) 礫分を多量に含む土は液状化強度が一般に高いとされていたが、礫分を多量に含むマサ土が液状化した。
- 03) 阪神地区の埋立地においてもシルトや粘土などの細粒分を多量に含む神戸層群によって埋め立てされた地盤には液状化が生じなかった。細粒分が液状化強度に強く影響することが改めて確認された。
- 04) 地盤改良がなされていた地盤においては液状化が生じず、構造物の被害も軽微であった。
- 05) 大阪湾一帯の海底に存在する超軟弱粘性土地盤が護岸等構造物の動的挙動に大きな影響を与えた。海底の軟弱粘性土が護岸建設のためにマサ土に置換されたが、マサ土が液状化を生じ護岸の大移動の一因となった。
- 03.六甲山系の斜面を中心として風化した岩盤よりなる自然斜面の崩壊が生じ、民家を押しつぶし多くの人命が失われた。
- 01) 六甲山系の斜面を中心として風化した岩盤よりなる自然斜面の崩壊が生じ、多くの人命が失われた。
- 02) 六甲山系の南~東側に開発された住宅地を中心に、宅地造成地の被害箇所は約5300カ所にのぼり、ライフラインの埋設管路に被害が発生した。
- 01.内陸断層近傍域の強烈な地震動が大都市圏を襲った。
- 【01】地震動と地質・地盤
- 1-01.被害発生