防災の動き



高知市孤立地域支援訓練報告
高知市防災対策部防災政策課長 山中晶一

1 はじめに

 令和6年(2024年)能登半島地震等で集落の孤立が発生したことを踏まえ、令和7年(2025年)5月25日(日)に、本市で実施した孤立地域支援訓練(高知県総合防災訓練の一環)について報告します。

2 訓練概要

 本訓練では、南海トラフ地震の強い揺れにより道路が寸断された中山間地域(高知市土佐山地域)の集落が孤立したと想定し、地域住民、自主防災組織、消防団、自衛隊、県・市が連携し、「①救助救出訓練・ヘリサイン作成訓練」、「②避難所開設・運営学習会」、「③物資配送訓練」を実施しました。

(1) 救助救出訓練・ヘリサイン作成訓練
① 高知市が災害協定を締結している綜合警備保障株式会社(ALSOK)にドローンによる孤立集落調査を要請し孤立者を確認。(写真1)
② 高知市から高知市消防団土佐山分団に現地確認を要請、現地確認の結果、医療機関への搬送が必要な孤立者を確認したため、高知県にヘリによる救助救出を要請。
③ 高知市職員が最寄りの運動場にヘリサインを作成。
④ 自衛隊ヘリが孤立者を救出、災害支援拠点病院へ搬送(訓練当日は、ヘリが離陸するも、受入先にドクターヘリの要請が入ったため引き返した。)。(写真2、3)

(2) 避難所開設・運営学習会

 集落の孤立等、土佐山地域で想定される被害等を確認後、避難所運営マニュアルを参考に開設手順と備蓄品を確認。(写真4)

(3) 物資配送訓練

 避難所から要請のあった物資を、救助救出に向かうヘリで運動場に配送し、避難所を運営する地域住民と高知市職員が受け取って避難所に納品するまでを訓練。

写真1 ドローンによる孤立集落調査

写真1 ドローンによる孤立集落調査

写真2 自衛隊ヘリによる孤立者の搬送

写真2 自衛隊ヘリによる孤立者の搬送

写真3 自衛隊ヘリによる孤立者の搬送

写真3 自衛隊ヘリによる孤立者の搬送

写真4 住民による避難所開設訓練

写真4 住民による避難所開設訓練

3 まとめ

 本訓練は、孤立地域支援に関わる関係者が、お互いの機能や役割を確認する良い機会となりました。

 中山間地域の孤立化対策は全国的な課題であり、平時に潜在しているリスクが、災害時に一気に顕在化します。今回の訓練のように、地域住民、自主防災組織、消防団、企業、救助救出機関、自治体等が平時から連携し対策を講じることが大切です。

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