防災の動き



防災意識向上プロジェクト講演会及び防災備蓄物資貸与式
愛媛県鬼北町危機管理課

1 はじめに

 鬼北町は、四国の西南部に位置し、町のほぼ中央部には日本最後の清流「四万十川」の最大級の支流である「広見川」が流れ、周囲には国立公園に指定されている成川渓谷や節安渓谷等、優れた自然景観や貴重な生態系を残した緑豊かな町です。一方で、少子高齢化や人口減少も深刻な過疎の町でもあります。

 平成26年(2014年)に町内全ての地区において、自主防災組織(56単位組織)が結成されていますが、これまで多数の死者が発生するような大規模な災害の経験がないため、今後起こり得る大規模災害の際には、避難所の開設や運営等に主体的に取り組んでいけるか危惧されています。

2 防災意識向上プロジェクト講演会(令和7年(2025年)2月15日(土))

 鬼北町では、自主防災組織の会員や防災士等の防災意識の向上を目的とした「防災意識向上プロジェクト講演会」を実施しました。(写真1)講師には、平成23年(2011年)の東日本大震災発生当時、2,000人以上が避難した中学校の校長として、地域の自主防災組織と協力して避難所運営にあたった石川善憲先生をお招きし、「行政が機能するまでの最初の数日間を地域がいかに連携できるかで避難所の運営方法や繋がる生命が変わる」といった経験者の貴重な話を聞くことができました。

写真1 「防災意識向上プロジェクト講演会」の様子

写真1 「防災意識向上プロジェクト講演会」の様子

3 防災備蓄物資貸与式(令和7年2月15日(土))

 講演会終了後、備蓄物資貸与式を実施し、町内全56自主防災組織に対し、災害用トイレ(ラップポントレッカー自動)及びソーラー充電式蓄電池(ASAGAO2000W)各1セットを無償貸与しました。式では、それぞれの機器の操作説明や上記物資の他にも物納寄付をいただいた水循環型シャワーWOTABOXや水循環型ポータブル手洗いスタンドWOSH等の展示実演も行いました。(写真2)

 この取組は、愛媛・高知の12市町村と㈱大塚商会において、令和5年(2023年)8月14日に締結した「災害時における相互応援及び支援協力に関する連携協定」に基づき、㈱大塚商会から12市町村に対し令和5年度(2023年度)、令和6年度(2024年度)の2箇年に渡り「企業版ふるさと納税」を活用した防災備蓄物資等の物納寄付が行われ、鬼北町には、上記物資を含めた多種多様な防災資機材をいただいたことから実施することができました。

写真2 水循環型シャワーWOTABOXの展示実演の様子

写真2 水循環型シャワーWOTABOXの展示実演の様子

4 おわりに

 鬼北町では、今後も自主防災組織や防災士と共に地域防災力の向上を図り、また民間企業等と連携しながら、いつ起きてもおかしくないといわれる「南海トラフ地震」等の大規模災害に備えてまいります。

参考
令和5年度「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」
【企業部門】株式会社大塚商会 受賞
令和6年1月23日 内閣府地方創生推進事務局

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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