「津波フラッグ」を見たらすぐに避難!!
気象庁地震火山部地震津波監視課地震津波防災推進室
梅雨が明けると、いよいよ本格的に暑い夏がやってきます。海水浴や釣り等、マリンレジャーで海に出かける機会が多くなる季節です。マリンレジャーを安全に楽しむに当たり、忘れてはいけないものの一つが「津波」です。日本は地震が多く、いつ大きな地震に見舞われるか分かりません。特に、海岸付近を訪れる際には、津波への備えが欠かせません。
気象庁は全国の地震や海の状況を常に監視して、大津波警報・津波警報・津波注意報(以下、「津波警報等」とします。)を発表する役割を担っています。津波警報等は、テレビ、ラジオ、携帯電話(緊急速報メール)、サイレン、鐘等、様々な手段で皆さんに伝達されます。
しかし、海水浴場等では、携帯電話を身に着けていないことも多く、また、遊泳中には、波音や風でサイレン等の音が聞き取りにくくなるため、聴覚に障害をお持ちの方や遊泳中の方等に津波警報等を伝達することは難しくなります。
このため、気象庁では、津波警報等の発表を視覚的にお知らせする手段として、長方形を四分割した赤と白の格子模様の旗「津波フラッグ」を定めています(図1)。

図1 津波フラッグ
「津波フラッグ」を導入済みの海水浴場等に津波警報等が発表された場合には、この「津波フラッグ」が、海岸や津波避難ビル等においてライフセーバー等により掲示されます。また、海岸近くの建物から垂れ下げられる場合もあります(図2)。

図2 Yahoo!ニュース制作図解
※商用利用不可・図解を分割編集しての使用はできません。
この一例として、令和6年4月3日の台湾付近の地震で、沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に津波警報が発表された際には、ビーチでライフガードが「津波フラッグ」を掲示して遊泳者に海からすぐに上がるよう呼びかけ、避難誘導を実施しました。
気象庁では、より多くの海水浴場等で「津波フラッグ」が活用されるよう、また、より多くの方々に「津波フラッグ」を覚えていただけるよう、全国的に「津波フラッグ」の周知・普及活動に取り組んでいます。
令和7年夏からは、新たな「津波フラッグ」のポスターを全国展開し、「津波フラッグ」を導入済みの海水浴場等に掲示いただく予定です(図3)。

図3 令和7年夏から展開する、新たなポスター
「津波フラッグ」は、避難の合図です。海水浴場等で「津波フラッグ」を見かけたら、速やかに海から離れ、高いところに避難してください。
【参考】気象庁ホームページ 津波フラッグ:
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/tsunami_bosai/tsunami_bosai_p2.html