特集 災害の記憶を伝える「自然災害伝承碑」



自然災害伝承碑を活用する

 国土地理院では、自然災害伝承碑を地図に掲載するだけではなく、防災教育や地域学習などで活用できるように、掲載されている自然災害伝承碑の活用例(https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi_utilization.html)や分布図、時代別の代表事例など、さまざまな情報をウェブサイト(https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi_ex.html)で公開しています。

 また、さらなる活用を促すため、自然災害伝承碑データのダウンロード提供(CSV・GeoJSON形式 https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi_datainfo.html)も行っています。データには①ID、②碑名、③建立年、④所在地、⑤災害名、⑥災害種別、⑦伝承内容、⑧自然災害伝承碑アイコンの位置座標(10進経度、緯度)が含まれており、災害名や建立年での検索や並べ替えなど、さまざまな活用が可能になっています。

 たとえば自然災害伝承碑を災害種別ごとに集計したり、建立年に着目して年代別の基数をグラフ化したりという利用の方法が考えられます(https://www.gsi.go.jp/common/000243643.pdf)。また地理院地図では標高データを基にした色別標高図や陰影起伏図、傾斜量図、さらに土地条件図や治水地形分類図、活断層図など、地形や土地の成り立ちを示す地図を表示することができるので、自然災害伝承碑と重ねることで、どんな場所で災害が発生しやすいのかを学ぶこともできます。

自然災害伝承碑のデータをダウンロードして活用することも可能(国土地理院提供)

自然災害伝承碑のデータをダウンロードして活用することも可能(国土地理院提供)

自然災害伝承碑のデータを活用して明治期以降の建立年別基数のグラフを作成したイメージ(国土地理院提供)

自然災害伝承碑のデータを活用して明治期以降の建立年別基数のグラフを作成したイメージ(国土地理院提供)

自然災害伝承碑のデータを活用して自然災害伝承碑(高潮)の分布図を作成したイメージ(国土地理院提供)

自然災害伝承碑のデータを活用して自然災害伝承碑(高潮)の分布図を作成したイメージ(国土地理院提供)

ひとつでも多くの自然災害伝承碑を共有するために

 自然災害伝承碑の地理院地図への掲載は令和元(2019)年6月に始まりました。当初158基だった掲載数は、令和4年11月17日現在全国494市区町村1,708基まで増えています。しかし、掲載されてない自然災害伝承碑はまだ多くあります。

 自然災害伝承碑の地理院地図等への掲載にあたっては、市区町村から国土地理院へ掲載希望の連絡を行い、自然災害伝承碑の対象となるか否かを含めて、現況確認や位置情報の取得、写真の撮影など、自然災害伝承碑に係る調査を実施したうえで、申請書を作成して国土地理院への申請手続きを行う流れとなります。自然災害伝承碑を地図上に表示し、多くの人たちと共有するためには、市区町村のご協力が不可欠です。ご理解とご協力をお願いいたします(https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi_info.html)。災害の教訓を後世に伝え、未来の被害を軽減するために、自然災害伝承碑のさらなる共有と利活用が進むことを願ってやみません。

自然災害伝承碑の地理院地図への掲載数の推移(国土地理院提供)

自然災害伝承碑の地理院地図への掲載数の推移(国土地理院提供)


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内閣府政策統括官(防災担当)

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