防災の動き



「防災推進国民大会2022」の開催報告 未来につなぐ災害の経験と教訓 ~忘れない、伝える、活かす、備える~
内閣府(防災担当)普及啓発・連携担当

 今回で7回目となる防災推進国民大会、通称「ぼうさいこくたい」は10月22日から23日にかけて、兵庫県神戸市で開催しました。近畿圏での開催は今回が初めてとなり、メイン会場となった「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」は、開設20年の節目の年にあたります。今大会は「未来につなぐ災害の経験と教訓~忘れない、伝える、活かす、備える~」をテーマに、災害の経験や教訓の伝承の重要性を再認識し、私たち一人ひとりが日頃から防災に取り組むことの大切さを訴える機会にするべく開催しました。

ぼうさいこくたい

ぼうさいこくたい

「ぼうさいこくたい」とは

 平成27年3月に開催された「第3回国連防災世界会議」で採択された国連の「仙台防災枠組2015−2030」では、自助・共助の重要性が国際的な共通認識とされました。このため、平成27年9月、中央防災会議会長である内閣総理大臣の呼びかけにより、各界各層の有識者からなる「防災推進国民会議」が発足するとともに、この防災推進国民会議と、主に業界団体からなる「防災推進協議会」、そして内閣府の三者が主催者となって国民大会を開催することとなった。ぼうさいこくたいは、産官学、NPO、市民団体や国民の皆様が日頃から行っている防災活動を、全国的な規模で発表、交流する日本最大級の防災イベントとして、平成28年に第1回を開催し、これまでに7回開催しています。


オープニングセッション・ハイレベルセッション

 22日朝のオープニングセッションでは、谷防災担当大臣から、27年前の阪神・淡路大震災は大災害への備えが十分できておらず、当時の国、地方自治体などに大きな衝撃を与えたこと、災害の多い我が国でその被害を最小限に抑えるためには、我々一人ひとりの努力が必要であること、そして、本大会がきっかけとなって新しい出会いやつながりが生まれ、防災の輪が全国各地に広がり、我が国の防災力強化に一層寄与して欲しいとの挨拶がありました。

 同じく主催者である清家防災推進国民会議議長(日本赤十字社社長)から挨拶があり、開催地の齋藤兵庫県知事及び久元神戸市長からも挨拶が行われました。

 また、同日昼のハイレベルセッションでは、「大災害とわたし~トップリーダーがつなぐ災害の経験と教訓」をテーマに、兵庫県知事、神戸市長、国連防災機関(UNDRR)長であり国連事務総長特別代表(防災担当)を務める水鳥真美氏など、開催地及び国内外の各界を代表するトップリーダーから、災害にまつわる個人的な体験と、それぞれの立場から防災の取組の中で何を意識してきたかを語っていただき、国民一人ひとりが改めて災害への備えの大切さを見つめ直すきっかけとなりました。

開会挨拶する谷防災担当大臣

開会挨拶する谷防災担当大臣

挨拶する齋藤兵庫県知事

挨拶する齋藤兵庫県知事

ハイレベルセッションの様子

ハイレベルセッションの様子


セッション・ワークショップ・展示等

 今大会も防災の活動を実践する多様な団体が一堂に会し、さまざまな取組や知見を発信・共有する場となりました。具体的には、講義型セッションや、来場者が楽しく学べる体験型ワークショップ、ブースやポスターで各団体の取組を発表するプレゼンテーション・ポスターセッション、今回初の試みとなった出展団体の取組をステージで発表するイグナイトステージ、車両などの屋外展示等、延べ300を超える団体に出展いただきました。また、前大会と同様に、会場での参加とオンラインでの参加を組み合わせたハイブリッド形式で行い、近畿圏での初めての開催に加えて、特に阪神・淡路大震災の被災地である兵庫県での開催ということもあり、来場者は2日間で約12,000人、オンライン視聴は約11,000回となり、多くの方にご参加いただきました。

 今回の特色として、「人と防災未来センター」が中心となり地元有志と開催した会議(現地企画・情報共有会議)から生まれた共同企画の出展がなされるなど、これまで以上に地元の方々と一緒に作り上げた大会となりました。

 また、ぼうさいこくたいを盛り上げるために、二つのデジタルスタンプラリーも実施しました。第1弾は、阪神・淡路大震災当時の映像と現在の復興状況を自身の目で確かめながら、震災の教訓を学べるスタンプラリー(令和5年1月17日まで継続実施中)です。第2弾は、大会開催日限定で実施した、一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団の協力によるポケモンキャラクターを使ったスタンプラリーで、いずれも多くのご家族連れの方に好評をいただきました。

車両展示の様子-1
車両展示の様子-2

車両展示の様子

プレゼンテーションの様子

プレゼンテーションの様子

ぼうさいこくたいの目指すもの

 ぼうさいこくたいでは、国民の皆様が災害の経験や教訓の伝承の重要性を再認識し、日頃から防災に取り組むことの大切さを訴える機会にしたいと考えており、これは不朽のテーマであり、主催者としてこれからも継続していかなければならないと考えています。

 ぼうさいこくたいの開催を通じて、「公助」の取組とともに、「できることは自分でやってみる」という「自助」、そして、「家族、地域でお互いに助け合う」という「共助」を組み合わせることにより地域全体で防災意識を高め、今後より一層あらゆる自然災害に備えていく必要があります。

次回大会は来年9月17〜18日開催

 第8回目となる「ぼうさいこくたい2023」は、関東大震災から100年の節目の年に当たることから、大震災の震源地である神奈川県において開催する予定です。日程は令和5(2023)年9月17日(日)〜18日(月・祝)、会場は横浜市保土ケ谷区の横浜国立大学を予定しています。関東大震災は、大正12年9月1日に発生し、近代日本の首都圏に未曾有の被害をもたらした、我が国の災害史において極めて重要な災害です。大会全体を通して、大震災の記憶の継承や首都圏住民に対する防災意識の啓発が行えるよう、地元自治体の協力も得ながら現在準備を進めています。

おわりに

 近年、災害が頻発化、激甚化しているが、災害が起きたときに災害を自分のこととして捉え、自分たちの命は自分たちが守るという意識を一人ひとりが持っていただくことが重要です。

 そのためには、国民の皆様が防災に主体的に参加できるようなきっかけづくりが非常に大切であり、そのきっかけづくりを内閣府防災 普及啓発・連携担当が主体となって担っていきたいと考えています。

 今回のぼうさいこくたいが、多くの方にとって防災について考えるきっかけとなり、防災意識、防災力向上に寄与できたならば担当者として幸いです。

ぼうさいこくたいHP:

▶https://bosai-kokutai.jp QRコード



所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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