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特集 「もしも」のために今、できること 災害をイメージし、防災につながる行動へ【アクション編】

首都直下地震発生! その時、あなたは!?

外出時に首都直下地震が起こったら、いつ、どのように帰宅するのがよいのだろうか。ここでは、架空の人物AさんとBさん(東京都丸の内に勤務、埼玉県和光市在住)が、オフィスで被災し、帰宅するまでを、会社の対応も交えて紹介する。発災後街はどうなるのかをイメージし、会社や個人が取るべき行動について考えてみよう。

【半数が翌日帰宅をした場合】

速やかに家族や従業員の安否を確認

Aさんの会社では、家族や従業員の安否を迅速に確認する体制ができている。Aさんも安否確認手段を事前に複数決めており、災害用伝言ダイヤル171と災害用伝言板を使った。自宅は家具も固定していたので安心だ。

東京・
丸の内

【発災直後に一斉帰宅をした場合】

安否確認できず、一斉に徒歩で帰宅開始

何度か家族に電話するが、つながらない。
Bさんは、初めて災害用伝言ダイヤルを使い自分の無事を登録した。安否確認がうまくいかず、家具固定もしていなかった社員たちは家族が心配だと言い始めた。会社は従業員を一斉に帰宅させることにした。

 

半数の従業員を翌日帰宅とする

Aさんの会社の防災計画では、家族の安否が確認できた社員は、災害対策本部要員や重要業務の継続にあたることになっている。
Aさんは、翌日帰宅することになり、社員の安否確認、営業所、関連工場の被災状況についての情報収集を開始した。

道路混雑

道路は大渋滞、一斉帰宅者で大混雑

Bさんが会社を出ると道路はあちこちで陥没し、大渋滞。車道にまで人があふれかえり、自由に歩くこともできず、全く前に進まないところもある。
消火、救助・救急活動にあたる緊急自動車の通行も妨げられている。

十分な備蓄と事前の準備で帰宅開始

Aさんの会社では、全社員が3日間滞在できるよう、飲用水・食糧、災害用トイレ、毛布などの備蓄がある。発災当日も、一斉帰宅の混乱をさけるため時差帰宅とし、徒歩帰宅の従業員には、ヘルメット、手袋、飲料、携帯トイレ、地図等を支給。

余震
火災

余震、二次災害で危険な状態

強い余震が続いている。ビルの倒壊や、ガラス・タイルの落下による負傷者をあちこちで目撃する。
池袋周辺では大規模な火災が発生している。人が逆流し、後ろからも押し戻され、集団転倒なども起きている。大変危険な状態だ。

帰宅困難者への必要な情報提供

翌朝、Aさんは、常備している携帯ラジオ・ライト・地図と会社からの支給品を持ち帰宅開始。ラジオや区役所の掲示板にある危険場所や混雑情報を頼りに経路を選択する。帰宅支援対象道路の地図案内板で見た、帰宅困難者等支援広場でトイレ休憩する。

トイレ・飲料不足

トイレ・飲料が確保困難。場所も分からない

道中のコンビニエンスストアや飲食店は、トイレを待つ人、飲料を買う人で長蛇の列だ。長時間歩いてきたBさんは疲れが出てきた。トイレにも行きたくなったため探してみたが、地図がなく、トイレや休憩できる場所が分からない。

翌日帰宅者が家に到着。所要約5時間

都心を離れるに従って道路の混雑もなくなってくる。家族とは何度か災害用伝言ダイヤルで連絡をとり、避難場所を確認している。
丸の内から和光市まで約5時間歩いて帰宅。ほどなく近くの小学校に避難している家族と無事再会することができた。

埼玉県
和光市

ようやく家に到着。所要約15時間

15時間かかり、Bさんは、ようやく和光市の自宅に到着した。家族を呼ぶが返事がない。
ご近所を訪ねながら、近くの学校や公民館など避難所に指定されている場所を探し回ることになった。

※所要時間は通常時並みの時間を編集部で想定

混乱をまねく一斉帰宅

帰宅行動シミュレーションの例(15時の様子(12時発災))
[天候:晴れ、幹線以外一部利用、全橋梁通行可、建物倒壊:有、火災考慮:有]の条件でシミュレーション

混乱をまねく一斉帰宅

波打つように倒壊した阪神高速神戸線。壊れた道路脇を徒歩で帰宅するのは危険が多い(写真提供:時事)

丸の内から自宅(和光市役所付近)へ徒歩帰宅する際の平均所要時間

丸の内から自宅(和光市役所付近)へ徒歩帰宅する際の平均所要時間

2007年東京マラソン。3万人の参加者であふれる道路は、まさに満員電車状態といえる
(写真提供:Getty Images/アフロ)

東京都・帰宅支援対象道路

1.第一京浜 2.第二京浜 3.中原街道
4.玉川通り 5.甲州街道 6.青梅街道
7.新青梅街道 8.川越街道 9.北本通り
10.日光街道 11.水戸街道 12.蔵前橋通り
13.井の頭通り 14.五日市街道 15.環状七号線
16.環状八号線

「首都直下地震では、全域で650万人の帰宅困難者が発生します」と中林先生。
 帰宅困難者は、ケガなどの理由で帰宅をあきらめる「帰宅断念者」や、「遠距離を徒歩で帰宅する」人々などだ。
 また、帰宅困難者は、災害情報や安否確認情報、経路情報を求めて駅に集まると考えられるため、ターミナル駅などには多数の帰宅者が集中し、混乱が発生すると推測されている。
 東京都では、徒歩帰宅者が駅に行かなくても円滑に帰宅できるよう、地図やトイレが設置されたり、情報が提供される「帰宅支援対象道路」を指定。この道路から半径2?以内のコンビニやガソリンスタンドなどを「帰宅支援ステーション」として提供してもらい、徒歩帰宅者に対してさまざまな支援を提供する。
 一方、家庭にいて被災した場合はどうなるだろうか。平日だと高齢者や子ども、お母さんだけで、一晩過ごさなければいけないかもしれない。もし災害で家族が分断されても、お互いが不要な心配をせず、安心して行動できるよう、「安否確認方法の共有」や自宅の「耐震補強・家具固定」を、事前に備えておく必要がある。

「帰宅行動シミュレーション」などは、中央防災会議「首都直下地震避難対策等専門調査会」のページでご覧になれます
https://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutohinan/a_index/index1.html

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