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特集 「もしも」のために今、できること 災害をイメージし、防災につながる行動へ【アクション編】

特集 「もしも」のために今、できること 災害をイメージし、防災につながる行動へ【アクション編】

「もしも」に備えて日頃から、私たちができることは?

命を守るための行動は何か?危機管理アドバイザーの国崎信江さんに話を聞いた。

 日頃から「今ここで地震が起きたら」と周りを見回し、そこにある危険からどのように身を守る行動をすべきか考える習慣をつけましょう。ガラス、タイル、照明器具、展示品など、落下転倒物の有無、非常出口の場所などを確認しておくことが生死を分ける大きな差となります。
 阪神・淡路大震災では発災後15分以内に死者の9割以上の方が家屋や家具の倒壊により亡くなりました。体重の4倍荷重で、胸部を圧迫されると多くの人が10分以内に死亡するという調査報告もあり、自宅や外出先で、自身の体重の4倍に値するものに注視することが重要だと分かります。自動販売機、ATM、冷蔵庫、コピー機など、それぞれの重さ、動き方を考えて、自分にどういう被害を与えるのかをイメージし、家具固定などをすれば、未然にケガなどを防ぐことができます。
 実際に災害に遭ったときにはバッグや厚手の雑誌で頭を守るなど機転をきかせて身近にあるもので困難を乗り切りましょう。携帯電話は通信手段以外にも停電時に画面から発する光を利用して懐中電灯代わりに、生き埋めになったら着信音を笛代わりに、保存画像は救援を待つまでの心の支えになります。
 もちろん、イメージした被災状況をもとに普段から災害に役立つものをかばんの中に入れておくことも必要です。めがねや常備薬、差し歯など、自分が必要なもので、第三者が調達してくれないものがあります。薬は、処方されたままではなくピルケースに分ければかさばりません。
 また、家族などとの安否確認ができるよう連絡方法と待ち合わせ場所を決めておきましょう。ひとり暮らしの人は、近所の友人や同僚と、お互いの安否を確認し合うようにしておくと、倒壊した家屋に閉じ込められた際、「誰にも気づかれない」ことを防げます。
 せっかく自宅で助かったとしても、避難所に行く道のりで二次災害に遭遇するかもしれません。推奨されている経路でも、自分の家族にとっては安全ではないこともあります。家族全員で体験し、情報共有することが命を守ります。

体重の4倍
大きな揺れで倒れてしまうブロック塀もある。足が挟まれただけで、動けなくなることも
頭を直撃
地震の際には、頭上から何が降ってくるかわからない。エアコン室外機もこのように
体重の4倍
地面にしっかり固定されていないと、自動販売機なども倒れてしまう

国崎 信江
くにざき のぶえ
阪神・淡路大震災を機に、女性の視点を生かして自然災害から子どもを守るための研究を始める。防災・防犯関連の著作、講演のほか、内閣府・文部科学省など多くの防災関連の専門委員も務めている。

写真提供:国崎信江(写真はすべて新潟県柏崎市)

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