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令和8年版 防災白書|第1部 第1章 第1節 1-6 住民主体の取組(地区防災計画の推進)


1-6 住民主体の取組(地区防災計画の推進)

地区防災計画制度は、平成25年の「災害対策基本法」の改正により、地区居住者等(居住する住民及び事業所を有する事業者)が市町村と連携しながら、「自助」・「共助」による自発的な防災活動を推進し、地域の防災力を高めるために創設された制度である。これによって地区居住者等が地区防災計画(素案)を作成し、市町村地域防災計画に地区防災計画を定めるよう、市町村防災会議に提案できることとされている。

地区防災計画は、地区内の住民、事業所、福祉関係者など様々な主体が、地域の災害リスクや、平時・災害時の防災行動、防災活動について話し合い、計画の素案の内容を自由に定め、その後、市町村地域防災計画に位置付けられることで、「自助」・「共助」と「公助」をつなげるものである。計画内容はもとより、地区住民等が話し合いを重ねることなど、作成過程も共助の力を強くする上で重要である。

令和7年4月1日現在、44都道府県284市区町村の3,354地区の地区防災計画が地域防災計画に定められ、さらに47都道府県486市区町村の8,355地区で地区防災計画の策定に向けた活動が行われている。制度創設から10年以上が経過し、地区防災計画が更に浸透していくことが期待される(図表1-6-1及び図表1-6-2)。

図表1-6-1 地域防災計画に定められた地区防災計画数
図表1-6-1 地域防災計画に定められた地区防災計画数
図表1-6-2 地区防災計画の作成に向けて活動中の地区数
図表1-6-2 地区防災計画の作成に向けて活動中の地区数
(1)地区防災計画の動向

内閣府において、令和6年度中に地域防災計画に定められた491地区の地区防災計画の事例等を分析したところ、以下のような特徴が見られた(図表1-6-3、図表1-6-4及び図表1-6-5)。

図表1-6-3 令和6年度中に地域防災計画に定められた地区防災計画の作成主体
図表1-6-3 令和6年度中に地域防災計画に定められた地区防災計画の作成主体
図表1-6-4 令和6年度中に地域防災計画に定められた地区防災計画に関する地区内の人口
図表1-6-4 令和6年度中に地域防災計画に定められた地区防災計画に関する地区内の人口
図表1-6-5 令和6年度中に地域防災計画に定められた地区防災計画の作成のきっかけ
図表1-6-5 令和6年度中に地域防災計画に定められた地区防災計画の作成のきっかけ

<1> 地区防災計画の作成主体は、63.3%が自主防災組織、25.3%が自治会・町内会であった。

<2> 地区内の人口については、「201人~500人」(18.3%)が最も多く、「501人~1,000人」(14.9%)が二番目に多かった。これらを合わせると201人~1,000人の地区が約3割を占めた。

<3> 地区防災計画策定のきっかけは、70.5%の地区は「行政側からの働きかけによるもの」であった。

このことから、地区防災計画の策定には行政による後押しが重要であると考えられる。

(2)地区防災計画の策定促進に向けた内閣府の取組

内閣府は、地区防災計画の策定促進のため、「地区防災計画ガイドライン」(平成26年3月策定)等の地区防災計画の策定の参考になる資料を作成し、また、地区防災計画を地域別・テーマ別に一覧できる「地区防災計画ライブラリ」を整備している。また、新たに「地区防災計画ガイドブック」を令和7年4月4日に公表したほか、以下のとおりフォーラムや研修等を開催した。

(参照:https://www.bousai.go.jp/kyoiku/chikubousai/index.html

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<1> 「コミュニティ防災セッション―災害教訓伝承とコミュニティ防災の在り方 2022年豪雨を踏まえて―」と「地区防災計画フォーラム―中越地震から21年 コミュニティや企業の防災活動の在り方―」の開催

各地における地区防災計画づくりに関する事例や経験の共有を図り、地区防災計画の策定を促進するため、「コミュニティ防災セッション―災害教訓伝承とコミュニティ防災の在り方 2022年豪雨を踏まえて―」及び「地区防災計画フォーラム―中越地震から21年 コミュニティや企業の防災活動の在り方―」を令和7年9月6日に、いずれも「防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)2025」のセッションとして開催した。本フォーラムでは、新潟県関川村や村上市での災害教訓の事例、創設11年目を迎えた地区防災計画制度の現状とその課題について、学術的・社会実装的な観点から有識者による議論が行われた。また、本フォーラムのアーカイブ動画を公開した。

<2> 地区防災計画の作成に関する基礎研修会の開催

地区防災計画づくりに取り組もうとしている住民やそれを支援する自治体職員を主な対象として、「地区防災計画の作成に関する基礎研修会」を令和7年6月13日に、「地区防災計画の作成に関する基礎研修会(地区防災計画の持続性を育む~多様性と緩やかな連携~)」を令和8年1月27日に、オンラインで開催した。これらの研修会では、内閣府からの基礎的説明、有識者による基調講演、内閣府や地区防災計画学会の地区防災計画モデル事業の対象地区等で先進的な取組を行っている住民、自治体職員、アドバイザーである大学教員等が登壇して、その取組について報告するとともに、パネルディスカッション形式による議論が行われた。

<3> 地区防災計画に関するモデル事業

内閣府は、平成26年度から地区防災計画の作成の支援のためのモデル事業を実施している。令和7年度は、岩手県釜石市唐丹町荒川地区、宮城県仙台市福住町、栃木県足利市名草地区、新潟県柏崎市高田地区、長野県長野市日詰地区、兵庫県宝塚市西谷地区まちづくり協議会、広島県広島市温品学区及び熊本県熊本市中島校区の8地区が対象となり、有識者の支援の下、地区防災計画づくりを進めた。

<4> 学術研究団体、事業者団体等との連携シンポジウムの開催

内閣府は、新たな取組として、令和7年6月22日に「地区防災計画制度施行11年 地区防災計画の現状と課題」をテーマに、オンラインでシンポジウムを開催した。地区防災計画づくりに精通した3団体の関係者が、地区防災計画制度の実効性を高めるため、学術的知見と実践現場の連携を強化し、地域主体の地区防災計画の深化・普及について議論を行った。


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