令和7年版 防災白書|特集 第2章 第5節 防災庁設置に向けた検討


第5節 防災庁設置に向けた検討

令和6年10月に石破内閣が発足すると、内閣の基本方針として防災庁の設置が打ち出された。防災業務の企画立案機能を抜本的に強化し、平時から不断に万全の備えを行うことが必要不可欠であり、そのためには専任の大臣を置き、十分な数の災害対応のエキスパートをそろえた「本気の事前防災」のための組織が必要であるとして、令和6年11月1日には内閣官房に防災庁設置準備室が発足した。また、防災庁の設置により、スフィア基準も踏まえた避難生活環境の整備、発災後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド・風呂等を配備できるような官民連携体制の構築、被災地の情報を迅速かつ効率的に収集する防災DXなどが飛躍的に前進することが期待されるとされた。

また、人命最優先の防災立国を早急に構築するべく、令和6年能登半島地震の教訓を踏まえた災害対応の強化や政府の組織体制強化に向け関係行政機関の緊密な連携を確保し、その効果的かつ総合的な推進を図るため、令和6年12月20日に内閣総理大臣を議長とし全閣僚により構成される防災立国推進閣僚会議が開催されることとなり、その第1回会議が開催された。同会議では、防災庁の設置に向けた今後の対応方針として、防災業務の企画立案機能を抜本的に強化し、平時から不断に万全の備えを行う「本気の事前防災」に徹底的に取り組むとともに、大規模災害時には政府の災害対応の司令塔機能を担うことのできる防災庁の設置を目指すことが示され、有識者会議を開催するなど防災庁設置に向けた検討を更に加速化することとされた。また、令和7年4月からの内閣府防災担当の体制強化(予算・人員)、令和8年度中の防災庁設置のスケジュールが示された。なお、内閣府防災担当の体制強化(予算・人員)については、令和7年度当初予算は<1>事前防災の充実を始めとする災害対応力の強化(避難生活環境の抜本的改善、官民連携や人材育成の推進、防災DXの加速等)、<2>災害対応の司令塔機能の強化を内容として、前年度の2倍の約146億円としたほか、人員についても、政府の災害対応の司令塔機能を抜本的に強化するため、令和7年度中に「防災監」を設置することとするとともに、地域防災力強化担当を創設するなど令和7年度の定員を前年度の2倍の220人に大幅に拡充した。

さらに、令和7年1月30日に、防災庁の設置に向け、近年激甚化・頻発化する災害や、今後差し迫る巨大災害に対し、政府として強化すべき防災施策の方向性と、そのために必要な組織体制の在り方等について意見を聴取するため、福和伸夫名古屋大学名誉教授を主査とする計20名の委員・専門委員で構成される「防災庁設置準備アドバイザー会議」が開催されることとなり、避難生活、官民連携、防災教育・啓発、デジタル、事前防災の在り方等について分野別に議論の上、令和7年夏頃の取りまとめを予定している。

防災庁設置準備アドバイザー会議の様子
防災庁設置準備アドバイザー会議の様子

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内閣府政策統括官(防災担当)

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