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令和7年版 防災白書|特集 第2章 第2節 令和6年能登半島地震の経験・教訓を踏まえた法制上の対応


第2節 令和6年能登半島地震の経験・教訓を踏まえた法制上の対応

能登半島地震では、被災地の地理的特徴や社会的特徴等から災害対応上の多くの課題が示された。こうしたことから、その教訓等を踏まえ、被災地や被災者に対する支援について、地元自治体や住民等のみならず、国、近隣自治体、関係団体、専門職員、NPO・ボランティア団体、事業者等の多様な主体が、総力を結集し、複層的かつ重層的に支援を行う体制の構築を図ることとされた。このため、国による災害対応の強化、福祉的支援の充実、ボランティア団体との連携、広域避難への対応、防災DX、備蓄の推進、インフラ復旧・復興の迅速化など、具体的な措置について検討し、通常国会に災害対策基本法等の一部を改正する法律案を提出した。

同法案は、国による災害対応の強化、福祉的支援等の充実(災害救助法の救助の種類に「福祉サービス」を追加等)、ボランティア団体との連携(NPO・ボランティア団体等の事前登録制度を創設)、広域避難への対応(避難元と避難先の自治体の連携推進等)、防災DX・備蓄の推進(自治体の備蓄状況の公表等)、インフラ復旧・復興の迅速化の内容で構成され、国会審議を経て5月28日に成立した。同法の主な内容は以下のとおり。

<1>国による災害対応の強化

  • 国は、地方公共団体に対する応援体制を強化
  • 国は、地方公共団体からの要請を待たず、先手で支援
  • 司令塔となる内閣府(防災担当)の機能を強化(「防災監」の新設)

<2>福祉的支援等の充実

  • 高齢者等の要配慮者、在宅避難者などの多様な支援ニーズに対応するため、災害救助法の救助の種類に「福祉サービス」を追加するとともに、福祉関係者との連携を強化
  • 支援につなげるための避難所の運営状況の把握
保健師による避難所巡回(輪島市)
保健師による避難所巡回(輪島市)

<3>ボランティア団体等との連携

  • 被災者支援で自治体等と連携する、NPO・ボランティア団体等の国(内閣府)への事前登録制度を創設
  • 登録団体は、災害時に自治体等と連携し、避難所運営、炊き出し、被災者からの相談対応等を実施
  • 国民のボランティア活動の参加を促進

<4>広域避難への対応

  • (能登半島地震における1.5次避難、2次避難のような)広域避難における派遣元及び派遣先の情報提供の推進、広域避難者への情報提供の充実
  • 市町村が作成する被災者支援台帳について、都道府県が支援

<5>防災DX、備蓄の推進

  • デジタル技術を活用し、物資・資材、被災者のニーズや状況をきめ細かく把握し、被災者に対する情報発信を強化
  • 地方公共団体による物資の備蓄状況の公表義務

<6>インフラ復旧・復興の迅速化

  • 日本下水道事業団による地方公共団体との協定に基づく水道施設の復旧工事の実施
  • 水道事業者による水道本管復旧のための土地の立入り等
  • 液状化対策の推進(災害の定義に「地盤の液状化」を追加)
  • 復興まちづくりの推進

また、上記の改正法案に加え、能登半島地震の教訓を踏まえ、

  • <1>道路啓開計画の法定化、実効性のある計画に基づいた道路啓開の実施、<2>地方公共団体が管理する自動車駐車場について、災害復旧等の拠点として活用するため、国土交通大臣が必要な管理を代行することができる制度の創設、<3>被災地への出動が可能なトイレコンテナ等の平時からの配備を促進するため、その占用許可基準の緩和、設置に対する無利子貸付制度の創設等を内容とする道路法等の改正(令和7年4月9日成立)
  • 港湾施設の応急復旧に他人の石材等を活用できるようにする制度の創設、港湾管理者が災害時に民有港湾施設を使用することができる協定制度の創設、倒壊した場合に緊急物資等の輸送に支障を及ぼす恐れのある港湾施設への勧告制度の拡充、国から港湾管理者への支援船舶の入港需要等の情報の提供等による、港湾の緊急物資等の輸送拠点機能の確保等を内容とする港湾法等の改正(令和7年4月16日成立)
  • 地方自治体が管理する空港が被災した際、国が迅速に復旧工事を代行できる制度を創設すること等を内容とする航空法等の改正(令和7年5月30日成立)
  • 株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)の目的・支援基準に被災地域の経済再建、被災事業者支援を明確に位置付け、業務の期限を延長する株式会社地域経済活性化支援機構法の改正(令和7年6月4日成立)

等の法改正が実施された。


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