次頁第2節 令和6年9月20日からの大雨の概要と被害状況
（1）大雨の概要
令和6年9月20日から22日にかけて、日本海から本州付近に停滞した前線や前線上の低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、大気の状態が非常に不安定となり、西日本から東北地方にかけての広い範囲で雷を伴った大雨となった。秋田県では20日明け方に、石川県では21日昼前に線状降水帯が発生した。線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いて、大雨災害発生の危険度が急激に高まり、重大な災害の起こるおそれが著しく高まったことから、気象庁は21日に石川県輪島市、珠洲市及び能登町に大雨特別警報を発表した。石川県能登では、21日午前中は猛烈な雨が降り続いて1時間降水量や3時間降水量で観測史上1位を更新した地点があったほか、20日から22日にかけての総降水量が多い所で500mmを超え、平年の9月の月降水量の2倍を上回るなど、北陸地方や東北地方の日本海側では記録的な大雨となった（図表2-1）。
図表2-1 降水量の期間合計値（2024年9月20日～9月22日）
（2）被害の概要
令和6年9月20日からの大雨により、石川県において県管理の28河川が氾濫し、浸水被害が発生した。これらにより、死者は17名（石川県16名（輪島市11名、珠洲市3名、能登町2名）、熊本県（大津町1名）、重傷者は2名、軽傷者は45名となった。住家被害は、全壊が82棟、半壊・一部破損が724棟、床上・床下浸水が1,043棟となった（消防庁情報、令和7年1月28日時点）。また、水道については輪島市、珠洲市、能登町で断水が発生し、最大断水戸数は5,216戸、電力については北陸電力送配電株式会社管内で最大停電戸数が約6,910戸に及ぶなど、ライフラインにも被害が発生した。
令和6年9月20日からの大雨による被害状況
輪島市町野町
出典：石川県ホームページ
珠洲市大谷地区
出典：石川県ホームページ
能登町柳田野田橋周辺
出典：石川県ホームページ