(2)災害の想定の適切な見直し


(2)災害の想定の適切な見直し

東日本大震災の経験を踏まえ,今後発生が懸念される災害について,想定(発生地,マグニチュード,津波高等)の在り方を見直す必要がある。

このため,政府では,地震・津波の発生メカニズムや被害の把握・分析を行い,さらに,地震動推定における規模及び対象範囲並びに被害想定手法の検討に取り組んでいる。

(地震・津波の想定及び対策の全般的な見直し)

中央防災会議では,これまでの想定をはるかに超える巨大な地震・津波が発生し,甚大な人的・物的被害が生じたことから,地震・津波対策専門調査会を設置した。

この地震・津波対策専門調査会では,地震・津波対策の全般的な見直しについて検討し,想定地震・津波の考え方,地震・津波による被害の軽減対策,大規模地震への備え等の今後の災害対策の基礎となる提言を取りまとめた(平成23年9月)。この中で,今後,地震・津波の想定に当たっては,津波堆積物調査等の科学的知見に基づき,あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波を検討していくべきであるとし,想定地震,津波に基づき必要となる施設設備が現実的に困難となることが見込まれる場合であっても,ためらうことなく想定地震・津波を設計する必要があると指摘している。

これを踏まえ,中央防災会議において,後述するように,南海トラフの巨大地震及び首都直下地震の被害想定の見直しを行っている。

(地震に関する評価方法及び地震調査研究の在り方の見直し)

文部科学省の地震調査研究推進本部地震調査委員会では,東日本大震災の発生を踏まえ,地震の発生する場所,規模,確率の評価(長期評価)手法の改善及び海溝型地震の長期評価について,平成24年夏頃を目処に改訂することとしている。

また,地震調査研究推進本部では,平成23年12月から政策委員会総合部会において,東北地方太平洋沖において発生する地震の調査観測の充実,津波の調査研究の充実,国民・地方公共団体への研究成果の普及・啓発等が図られるよう,平成21年4月に取りまとめた「新たな地震調査研究の推進について」を見直すこととしている。


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