(1)災害の想定及び災害対策の基本的考え方に関する教訓


(1)災害の想定及び災害対策の基本的考え方に関する教訓

(災害の想定)

これまで地震・津波の想定は,当該地域で過去数百年間に経験してきた地震・津波を再現することを基本としてきたが,今回の東日本大震災を想定することができなかったことから,従前の想定手法を見直す必要がある。

また,東日本大震災では,地震・津波に合わせて原子力災害が同時に発生し災害対応をより困難なものにした。今後,地域の特性を踏まえ,起こりうる複合災害を想定した対策について検討する必要がある。

(災害対策の基本的考え方)

防波堤や防潮堤等の構造物だけでは,自然災害を防ぎきることができないことが明らかになった。さらに,被害が大きかった現象にのみ着目した対策を取りがちだった。

各種の災害対策は災害想定に基づき実施されてきたところである。しかし,そのことが災害を防ぐことができるとの過信につながり,一部地域においては被害を拡大させた可能性がある。例えば,今回の津波は,従前の災害想定に基づくハザードマップに描かれた区域より広い区域まで到達している箇所がある。

このような状況を踏まえると,施設整備等のハード対策に加え,都市計画や土地利用とも組み合わせた対策が今まで以上に必要である。人命が失われないことを最重視し,ハード・ソフトの様々な対策を組み合わせて,今後は,災害時の被害を最小化する「減災」の考え方を浸透させていかなければならない。


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