耐震出前相談会の実施(減災への取組)

耐震出前相談会の実施【東京都足立区】

特徴

自治体と建築士事務所協会との協働による木造住宅耐震化の推進

概要

木造密集地が多く、まちの耐震化を急がなくてはならない足立区では、区が建築設計者の団体である社団法人東京都建築士事務所協会足立支部と協働して、区民にわかり易く、住宅の耐震啓発のために区内各所まで出向いて「耐震出前相談会」を実施し、耐震助成制度を利用した住宅の耐震診断、耐震補強を推進している。

  • 1. 主催:社団法人東京都建築士事務所協会足立支部/足立区

  • 2. 内容

    • 耐震に関する基礎知識の説明

    • 区が実施している耐震助成制度に関する説明

    • 足立区登録耐震診断士による個別相談(申し込み制)

  • 3. 申し込み方法

    • 説明会のみの参加者は、申し込み不要

    • 個別相談の希望者は、先着順による予約が必要

目的

住宅の耐震化を促進することにより、地震による建築物の倒壊等の被害を未然に防ぎ、区民の生命と財産を保護するとともに、災害に強いまちづくりの実現を目指すことを目的としている。

経緯及び活動状況

  • 1. 阪神・淡路大震災では、犠牲者6,433名の約8割が建物・家具類等の倒壊による圧迫死で、また建物倒壊による火災が原因での死亡者も多数おり、犠牲者全体の死因の9割超は建物によるものであった。そのため、地震時の被害を最小限に抑えるには「建物の耐震化」が不可欠である。

    その後、新潟県中越地震、福岡県西方沖地震、更には、平成17年に発生した千葉県北西部地震では、足立区でも「震度5強」を観測するなど大地震が多く発生し、いつ大震災が起きても不思議ではない状況にある。

  • 2. 足立区では、以上のことから、「建築物耐震化促進計画(平成17年12月)」及び「足立区耐震改修促進計画(平成20年3月)」を策定し、平成27年度までに区内の住宅の耐震化率を90%に向上させ、震災時に家屋倒壊から人命を守るとともに、災害に強いまちづくりを目指す目標を定めた。この計画を遂行するため、区内建築関係団体との会合を重ね、木造住宅の「耐震診断」から「耐震改修」までを、安心して任せられるしくみ(住宅耐震化促進(耐震助成)事業)をつくった。

  • 3. 足立区の住宅耐震化促進(耐震助成)事業の概要は、次のとおりである。

    • (1)住宅への耐震助成制度の充実

      • 戸建住宅:耐震診断・耐震改修工事の助成

      • 共同住宅:耐震診断・耐震改修計画の策定(木造は除く)・耐震改修工事

      • 家具等の転倒防止、ガラスの飛散防止、耐震ベッド設置、耐震シェルター設置工事等助成

    • (2)耐震診断士・改修施工者の区への登録制度の実施

      • 耐震診断士・耐震改修施工者の登録制度

    • (3)耐震相談総合窓口の設置

      • パンフレット「我が家の耐震診断(木造版)」を窓口などで配布するとともに、耐震診断士による「相談会」などを行い、耐震についてのPRと相談を受付けている。

    • (4)耐震出前相談会の実施

  • 4. 耐震出前相談会は、足立区の住宅耐震化促進(耐震助成)事業の一環で、平成18年度社団法人東京都建築士事務所協会足立支部と協働で区民に木造住宅の耐震化の普及啓発活動を行なってきて、一定の成果を上げており、その実績は次のとおりである。

年度
(平成)
耐震
診断
(件数)
耐震
改修工事
(件数)
耐震出前
相談会
(回数)
耐震出前
相談会
参加者数
(延べ人数)
個別
相談者数
(延べ人数)
派遣
相談員
(延べ人数)
18 75 33 8 134 54 24
19 208 93 21 276 87 63
20 125 68 23 162 92 138

 ※耐震診断、耐震補強工事は、助成制度を利用した件数

取組の手引き

  • 1. 昨今社会問題化している、悪徳業者を排除するための施策として、適正な価格で耐震化を行なうことができるように、耐震診断士・耐震改修施工業者について、区への登録制度を設け、区民への情報提供を図っている。また、区内業者の雇用の拡大に結びつけている。

  • 2. 木造住宅の耐震化率向上のためには、安価で確かな品質の耐震改修工事を求めている。そのため、耐震診断業務を耐震診断・耐震改修計画・概算工事費までをセットで示して、区民が耐震診断後、次に何をやるかがわかり易いようになっている。

  • 3. 精密診断による耐震診断の結果は、「木造住宅の耐震診断と補強方法(監修:国土交通省・発行:(財)日本建築防災協会)による建築物の耐震性の判定基準(評点)で表され、「1.0」以上は「(一応)倒壊しない」という評価になるが、耐震改修工事をしても評定が「1.0」に満たない場合でも区の助成制度の対象としている。

  • 4. 各種まちづくり事業・イベントには、区職員が積極的に参加して、足立区の住宅耐震化促進(耐震助成)事業のPRを実施している。

  • 5. 区民が安心して気軽に相談できるように、住宅の耐震に関する専門の窓口を設置している。

自治体名 東京都足立区
連絡先 住所 〒120-8510 東京都足立区中央本町一丁目17番1号
担当 建築部建築防災課耐震助成係
電話番号 03-3880-5317
E-Mail taishin@city.adachi.tokyo.jp
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