平成26年版 防災白書|第1部 第2章 第2節 2-1 被災者支援の状況と取組


第2節 復興の現状

東日本大震災は、被災地域が広範で、極めて多数の犠牲者を出すとともに、地震・津波・原発事故による複合的な災害であり、国民生活にも多大な影響を及ぼした。復興の現状を概括すると、以下の通り。

  • 当初約47万人に上った避難者は、約26万人となり、そのほとんどが仮設住宅等に入居している。仮設住宅等への入居戸数は減少し始めており、住まいの再建への動きが進みつつある。
  • 平成26年3月末までに、岩手県・宮城県を含む13道県231市町村で災害廃棄物の処理が完了した。処理の完了していない福島県の一部地域については、きめ細かな進捗管理を継続しつつ、市町と連携して国の代行処理等による支援を通じ、できるだけ早期の処理完了を目指す。
  • 公共インフラについては、本格復旧・復興の加速化を進めており、地域ごとに状況は異なるものの、おおむね復興施策に関する事業計画と工程表に基づき、着実に推進されている。高台移転や土地のかさ上げ等の事業は、大半について事業計画の策定が完了し、順次着工が始まりつつある。
  • 集中復興期間内(平成28年3月まで)における民間住宅等用宅地の整備見通し(累計)は、岩手県、宮城県で概ね5割、災害公営住宅の完成見通し(累計)は、岩手県、宮城県で概ね8割となっている。福島県は、原発避難者向けの復興公営住宅の整備計画に基づき着実に取り組んでいる一方で、原子力災害の影響により、その他の住宅に関しては、事業計画を策定できない状態の地域もあるため、住まいの復興には、時間を要する見通しである。
  • 被災地域の鉱工業生産指数は震災前の水準にほぼ回復し、有効求人倍率も1倍を超えているが、津波被災地域等における産業や商店街の復興や一部の沿岸部の雇用者数の回復、雇用のミスマッチ解消等の課題がある。
  • 原子力災害からの復興については、避難指示区域の見直しが完了した。これに併行して、除染、インフラ復旧、長期避難者に対する支援、放射線による健康不安の解消に向けた取組等が行われており、平成26年4月には福島県田村市の避難指示区域が解除された。

2-1 被災者支援の状況と取組

(1)避難者と仮設住宅等の入居状況

発災以降の避難者数については、原子力災害による避難も含め、全国で約47万人に上った避難者は、平成26年5月15日時点で、約26万人となっている。

避難者の仮設住宅等への入居状況については、平成26年4月1日時点で、公営住宅等が22,645人、民間住宅が117,715人、仮設住宅が96,519人となっている。

仮設住宅等への入居戸数は減少しており、恒久住宅への移転が始まりつつある。

図表1-2-1 避難者等の減少 図表1-2-1 避難者等の減少
図表1-2-2 仮設住宅等の入居状況 図表1-2-2 仮設住宅等の入居状況
図表1-2-3 避難者等の数(避難先の都道府県別) 図表1-2-3 避難者等の数(避難先の都道府県別)
(2)被災者支援の現状と被災者の健康、生活面への対応

仮設住宅等での生活が長期化している地域では、コミュニティの弱体化や被災者の孤立の問題が生じる恐れがある。被災者の避難の長期化が見込まれる中、被災者の健康面を中心とした影響が懸念されることから、「被災者に対する健康・生活支援に関するタスクフォース」を立ち上げ、平成25年12月に「被災者に対する健康・生活支援に関する施策パッケージ」を取りまとめた。

今後、避難の長期化や恒久住宅への移転等に伴う健康・生活面の課題に対応するため、仮設住宅など避難生活の長期化に対する各種健康支援や、心身のケアや運動機会の確保など子どもへの支援、高齢者を地域で支えるコミュニティづくりなど新たな生活定着に向けた支援等を進める。

具体的には、コミュニティ支援として、市町村と社会福祉協議会やNPOが連携し、ボランティア等による仮設住宅等への見守り活動や、住民のニーズ把握、総合相談、交流事業の提供を行っているほか、仮設住宅における高齢者等の安心した日常生活を支えるために、総合相談、居宅介護サービス、生活支援サービス、地域交流等の総合的な機能を有するサポート拠点を115か所(平成26年1月現在)設置している。

被災者の心のケア対策としては、岩手県、宮城県、福島県に、活動拠点となる「心のケアセンター」を設置し、心のケアに当たる専門家が、被災者からの相談を受け、必要に応じて専門的医療支援を行っている。

また、震災発生から3年以上が経過し、被災地のニーズが多様化する中、よりきめ細かい支援を行っているNPOやボランティア団体等が活動を円滑に進められるよう、NPO等が活用可能な政府の財政支援策を取りまとめ、情報提供している。

一方、平成25年5月には、地方公共団体が平常時から防災・復興体制に取り組む際の指針となる「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」を作成・公表した。これを受け、東日本大震災からの復興に当たり、女性が活躍している事例や被災地の女性を支援している事例等を取りまとめた参考事例集を作成し、公表している。さらに、参考事例集を活用しながら、被災地に出向き、それぞれの地域の状況を踏まえた具体的なアドバイス等を行う取組も行っている。


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