平成26年版 防災白書|第1部 第2章 第2節 2-2 地域づくり


2-2 地域づくり

(1)災害廃棄物の処理状況

平成23年に発生した東日本大震災では、大規模地震に加え、津波の発生により、様々な災害廃棄物が混ざり合い、その性状も量もこれまでの災害を遙かに超えた被害が広範囲に発生した。

被災した13道県239市町村(福島県の避難区域を除く。)において災害廃棄物が約2,000万トン、6県36市町村において津波堆積物が約1,100万トン発生した。

被災県内での懸命な処理に加え、広域処理による多くの自治体や民間事業者の協力により着実な処理が推進され、これらの処理は福島県の一部地域を除いて、目標として設定した平成26年3月末までに処理を完了した。東日本大震災における災害廃棄物等については積極的な再生利用が実施されており、災害廃棄物は約82%、津波堆積物はほぼ全量が再生利用されている。

福島県については、可燃物の処理について、いわき市を除く4市町から代行処理の要請を受け、国が処理を進めている。相馬市に設置した仮設焼却炉により、新地町の可燃物については焼却が完了、相馬市の大部分の可燃物については平成25年度末に焼却が完了した。広野町及び南相馬市については、早期に仮設焼却炉を整備し、処理完了を目指す。また、避難区域については、帰還の妨げとなる廃棄物を撤去し、仮置場へ搬入することを最優先目標として着実な処理の推進に全力をあげる。

(2)公共インフラの本格復旧・復興の状況

公共インフラの復旧については、応急復旧から本格的な復旧・復興の段階へ移行し、復興施策に関する事業計画と工程表に基づき、着実に推進している。今後、復興のステージに応じた新たな課題に対し、タスクフォース等を活用して迅速に対応していく。

各事業の進捗状況については、以下のとおりである。

<1> 安全・安心のための基盤整備関係(平成26年3月末時点における被災地域の安全を確保するための各種インフラの復旧・復興状況)

海岸対策については、被災した地区海岸数471地区中、本復旧工事に着工した地区海岸数は、318地区(約68%)となっている。

海岸防災林については、避難指示区域等を含む被災延長距離約140キロメートル中、復旧工事に着手した距離は、92キロメートル(約66%)となっている。

河川対策(直轄管理区間)については、被災した河川管理施設2,155箇所中、本復旧工事が完了した箇所は、2,113箇所(約99%)となっている。

下水道については、災害査定を実施した処理場数73箇所中、通常処理に移行した処理場数は、72箇所(約99%)となっている。

水道施設については、災害査定を実施(予定含む)した184事業中、167事業(約91%)において、本格復旧が完了した。

図表1-2-4 被災地域の安全を確保するための各種インフラの復旧・復興状況 図表1-2-4 被災地域の安全を確保するための各種インフラの復旧・復興状況

<2> 交通関係(平成26年3月末時点における被災地の交通ネットワークの復旧・復興状況)

道路については、岩手、宮城、福島県内の国道4号、6号、45号の総開通延長距離1,161キロメートル中、本復旧完了等の開通延長距離は、1,159.0キロメートル(約99%)となっている。

鉄道については、岩手、宮城、福島県内の旅客鉄道の被災路線の延長距離2,330.1キロメートル中、鉄道運行を再開した路線の延長距離は、2,105.2キロメートル(約90%)となっている。

港湾については、被災した港湾のうち、復旧工程計画に定められた港湾施設131箇所中の全箇所で本格復旧工事に着手しており、120箇所(約92%)において本格復旧工事が完了している。

図表1-2-5 被災地の交通ネットワークの復旧・復興状況 図表1-2-5 被災地の交通ネットワークの復旧・復興状況
(3)住宅再建・復興まちづくりの取組と状況

住宅再建は、防災集団移転促進事業などの宅地の整備について、順次、着工が始まりつつある。また、災害公営住宅についても建設が始まっている。進捗状況については、以下のとおりである。

平成26年3月末時点で、高台移転などの防災集団移転促進事業については、「住まいの復興工程表」に基づく面整備事業を行う337地区及び茨城県の2地区の全地区において事業着手の法定手続である大臣同意に至っており、304地区(約90%)において造成工事に着手している。

また、平成26年3月末時点で、土地区画整理事業については、「住まいの復興工程表」に基づく面整備事業を行う51地区の全地区において事業化の段階に達しており、37地区(約73%)において工事に着手している。

各県が公表している必要災害公営住宅の戸数は、21,858戸であり、このうち、用地確保済みの戸数は、平成26年3月末時点で、15,781戸(約72%)となっている(いずれも福島県を除く。)。

また、被災者生活再建支援金の支給状況をみると、平成26年3月末時点で、住宅が全壊するなどして基礎支援金を受給した189,869世帯のうち、住宅を建設・購入するなどして加算支援金を受給した世帯は111,216世帯(約58%)となっており、住宅の自主再建が進んでいる。

医療施設については、被災直後に入院の受入制限又は受入不可を行った病院184箇所中、当該制限等から回復した病院は、平成26年3月末時点で、171箇所(約93%)となっている。

学校施設については、公立学校施設災害復旧事業に申請した(予定含む)学校2,308校中、復旧が完了した学校は、平成26年3月末時点で、2,210校(約96%)となっている。

図表1-2-6 住まいの復興の見通し(平成26年3月末時点) 図表1-2-6 住まいの復興の見通し(平成26年3月末時点)
図表1-2-7 被災者が安心して生活するために必要な住宅、医療・学校施設等の復旧・復興状況 図表1-2-7 被災者が安心して生活するために必要な住宅、医療・学校施設等の復旧・復興状況

更に、復興大臣のもとに、省庁横断的な「住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォース」が設置され、これまで5度に渡る加速化措置が打ち出されている。具体的には、(1)被災地での用地取得の迅速化を図るため、「用地取得加速化プログラム」を策定し、財産管理制度の円滑な活用や土地収用制度の自治体の用地事務支援に関する加速化措置を拡充した。その結果、防災集団移転事業の用地取得率は、49%から76%に上昇した。(2)被災自治体への発注者支援については、全国の自治体からの職員派遣の更なる強化に加え、公務員OB、民間実務経験者、青年海外協力隊帰国隊員等の活用、市町村の発注業務の負担を軽減する発注方式の導入、都市再生機構の活用等に取り組んでいる。(3)技術者・技能者の確保対策として、被災地と被災地以外の建設企業が共同する復興JVや発注ロットの大型化等に取り組むこととしている。また、資材不足対策として、公共による公共事業専用プラントの設置等に取り組んでいる。(4)住まいに加え、市街地中心部の商業集積・商店街の再生の支援策として、市町村向けの手引きや補助金の強化、専門家派遣や研修等の強化に取り組んでいる。(5)復興事業による宅地供給の本格化に伴う被災者の住宅再建の円滑化策として、被災者からの住宅再建の相談対応強化、造成工事から被災者による住宅着工までの期間短縮、再建工事集中時における建設事業者の円滑な人材・資材確保支援等に取り組んでいる。

今後、住宅再建・まちづくりについては、以下のように工事の本格化が始まっていく。

<1> まちづくり(民間住宅等用宅地、原発周辺を除く)

これまで防災集団移転促進事業の全地区(339地区)で大臣同意を得ており、9割程度の地区で着工(12% (平成24年12月末) →90% (平成26年3月末))、50地区で工事完了(平成26年3月末)している。また、土地区画整理事業の全地区(51地区)で事業化の段階に達しており、7割程度の地区で着工(12%(平成24年12月末)→73%(平成26年3月末))している。今後は、26年度末までに4600戸分程度、27年度末までに1万1千戸分程度の供給(供給予定戸数の約5割)を見込んでいる。

<2> 災害公営住宅

津波・地震被災者向けの災害公営住宅については、供給予定戸数は2万戸以上、2千戸以上で整備が完了(平成26年3月末)しており、供給予定戸数の7割程度は用地確保済み(福島除く)である。

今後は、26年度末までに1万戸程度、27年度末までに2万戸程度の供給(供給予定戸数の8割程度(福島県を除く))を見込んでいる。

原発避難者向けの災害公営住宅については、現時点では概ね4,900戸程度の供給を予定しており、800戸程度は着手済みとなっている。

<3> 住宅の自主再建

住宅を自主再建した被災者に対しては、引き続き被災者生活再建支援金や、災害復興住宅融資などによる支援を行う。

(4)職員応援の状況

被災地における復旧・復興事業が本格化する中、被災自治体における人員やノウハウの不足を補い事業を進める必要がある。

平成25年10月1日時点で、全国の自治体から2,084人の職員が被災自治体に派遣されている。これに加え、公務員OB、民間実務経験者、青年海外協力隊帰国隊員等を活用するとともに、都市再生機構においては平成26年3月1日時点で延べ466人を被災地に派遣し、事業の推進を支援している。

併せて、被災自治体の事務負担を軽減するために、発注方法の工夫や事務のアウトソーシング等、事業実施に必要な職員やその労力を減らす取組を推進している。


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