1 災害一般共通事項 1−1 教育訓練



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第4章 災害予防

1 災害一般共通事項

1−1 教育訓練

(1)政府における総合防災訓練

a 総合防災訓練
 政府においては,9月1日に首都直下の地震及び東海地震を想定した防災訓練を関係地方公共団体との連携により実施し,災害応急対策の実効性についての検証・確認を行った。さらに,平成18年1月17日には,東海地震を想定し,関係地方公共団体との連携による図上訓練を行った。

(国費 94,249千円)

b 政府防災担当職員を対象とする防災研修
 内閣府においては,災害発生時において政府の災害対策本部の事務局要員となるべき防災担当職員の人材育成を充実するため,各省庁の防災担当職員を対象とした合同研修を実施した。

(国費 12,173千円)

(2)警察庁における教育訓練

警察庁においては,次のとおり教育訓練を行った。

(事業費 54,331千円/国費 51,934千円)

a 災害警備担当幹部教養及び大規模災害警備訓練
 都道府県警察の幹部に対して,災害応急対策等についての教育訓練を行った。また,各管区警察局単位等で広域緊急援助隊の広域派遣訓練,救出救助訓練等を実施し,都道府県警察においては,関係機関と連携した災害警備訓練を行った。

b 災害救助のための特殊技術訓練
 レンジャー訓練等災害救助のための特殊技術訓練を行ったほか,救出救助能力を更に向上させるため,4月,全国12都道府県警察の警察広域緊急援助隊に設置した特別救助班(18個班・約200人)について,より高度な訓練を行った。

c 災害警備通信訓練
 機動警察通信隊において,災害発生時における現場の映像情報等を迅速に伝達するため,ヘリコプターテレビシステムや衛星通信システム等の各種情報通信システムの活用,臨時無線中継機の開設等,実践的な災害警備通信訓練を行った。

(3)防衛庁における教育訓練

防衛庁においては,阪神・淡路大震災の教訓及びこれまでの訓練成果を踏まえつつ,9月1日の防災の日に行われた八都県市合同総合防災訓練に,陸上,海上,航空の各自衛隊の部隊等が自衛隊統合防災演習(実動演習)として参加し,千葉市会場等において自衛隊の保有する能力,装備を活かして,警察及び消防の広域応援部隊の搬送,広域医療搬送,倒壊建物等からの被災者の救出,入浴・給水・給食支援,道路障害物除去,緊急物資輸送について訓練を実施した。

このほか,9月1日に静岡県焼津市で行われた静岡県・焼津市総合防災訓練等,各地方公共団体が行う総合防災訓練へ各自衛隊の部隊等が積極的に参加し,関係機関との連携等を図った。

また,9月5日には,南関東地震の発生を想定して,防衛庁災害対策本部運営訓練と新たな統合運用体制下において行う自衛隊統合防災演習(指揮所演習)を連携して実施し,防衛庁災害対策本部事務局における調整要領及び防衛庁災害対策本部事務局と各機関との間における迅速な命令・情報の伝達対応要領等について訓練を実施した。

(国費 6,028千円)

(4)総務省における非常通信訓練の実施等

総務省においては,災害時における通信の円滑な実施を確保するため,非常通信協議会において災害時に備えた通信計画の作成及び通信訓練を実施し,非常通信体制の整備を図った。また,無線局の免許人に対しても通信施設の点検等について指導を行った。

(国費 22,871千円)

(5)日本放送協会における教育訓練等

日本放送協会(以下「NHK」という。)においては,大規模災害等における放送確保等のため,広域応援体制も織り込んだ総合訓練を実施するとともに,各放送局においては,個別訓練等を実施した。さらに,「防災週間」を中心に,防災知識の普及に資する放送を行った。

〔公団等支出額 14,650千円〕

(6)消防庁における教育訓練

a 消防庁消防大学校における教育訓練
 消防大学校においては,都道府県の消防の事務に従事する職員及び市町村の消防職団員に対し災害の防止や災害時の対応,消防・水防,救助・救急等の応急対策に関する教育訓練を行った。また,都道府県及び市町村の首長及び幹部等に対し地震等の大規模災害発生時の対応能力向上のためのトップマネジメントコースを実施するとともに,消防・防災航空隊の隊長等に対する航空隊長コース及び緊急消防援助隊の都道府県隊長等に対する指揮隊長コースを行った。

(国費 187,540千円)

b 防災訓練の実施の推進
 地方公共団体が,総合防災訓練や広域応援訓練,参集訓練,情報伝達訓練などを実践的に実施するよう要請・助言等を行った。

(7)法務省における教育訓練

法務省においては,災害等非常事態における法務省関係機関相互の情報連絡手段を確保するため,「法務省緊急連絡体制網」通信訓練を行った。 

(国費 17,741千円)

(8)安全教育の充実

文部科学省においては,学校における安全教育の充実を図るため,地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業においてモデル地域を指定した実践的な取組みの実施及び学校安全推進フォーラムの開催等を行った。

(国費 226,650千円)

(9)災害医療従事者に対する研修の実施

独立行政法人国立病院機構においては,医師・看護師等の医療従事者を対象に災害医療についての研修を実施した。

(10)化学災害研修の実施

厚生労働省においては,救命救急センターや災害拠点病院の医師等医療従事者を対象に,化学災害時の医療についての研修を実施した。

(11)災害派遣医療チーム(DMAT)研修の実施

厚生労働省においては,災害の急性期(48時間以内)に可及的早期に救出・救助部門と合同し,医療活動できる機動性を持った災害派遣医療チームの医師,看護師等に対する研修を実施した。

(国費 33,374千円)

(12)日本赤十字社の救護員養成事業に対する補助

厚生労働省においては,日本赤十字社の非常災害に係る救護班要員等に対する研修に要する経費について補助を行った。

(事業費 30,286千円/国費 15,143千円)

(13)災害支援ボランティアリーダー養成研修事業

厚生労働省においては,災害発生時,障害者に対するきめ細やかな支援活動に資するよう,救助・支援活動をサポートするボランティアリーダーの養成研修事業の実施について,国際障害者交流センターへ委託を行った。

(国費 6,258千円)

(14)こころの健康づくり対策事業

厚生労働省においては,犯罪・災害などの被害者となることで生じるPTSD(心的外傷後ストレス障害)等に対する,精神保健福祉センター,保健所,病院等の機関における相談活動の充実・強化を図ることを目的とし,PTSD対策専門研修に対する補助を行った。

(15)都道府県の災害救助対策事業に対する補助

厚生労働省においては,都道府県が行う市町村災害救助法担当職員に対する研修等の災害救助対策事業に要する経費について補助を行った。

(事業費 18,672千円/国費 9,336千円)

(16)国土交通省国土交通大学校における教育訓練

国土交通大学校においては,国土交通省の職員や国土交通行政を担当する地方公共団体,公団等の職員を対象に,各研修コースにおいて,防災・災害に関する一般的な知識・技術についての講義を実施した。特に,『災害査定』,『危機管理』及び『電気通信』では,高度で総合的な知識の修得及び危機管理能力の向上を目的に,実習や演習を取り入れた研修を実施した。

(17)気象庁における教育訓練

気象庁においては,各地で防災気象講演会を主催し,気象等に関する知識の普及等の周知を図った。また,防災機関の担当者を対象に予報,警報その他情報の伝達等に関する説明会を適宜開催した。一方,気象大学校大学部及び研修部では,気象業務遂行に必要な知識及び技術の教育を行い,職員の資質の向上を図った。

(国費 133,980千円)

(18)海上保安庁における教育訓練等

海上保安庁においては,巡視船艇・航空機等による各種災害対策訓練を実施したほか,機動防除隊等を対象とした高度な防災技術等の研修を行った。また,海難防止思想の普及・高揚等を図るため,海難防止講習会等を開催したほか,タンカー等危険物積載船舶の乗組員,危険物荷役事業者等の海事関係者を対象に訪船指導,タンカーバースの点検等を行うとともに,カーフェリー等旅客船の事故対策訓練を実施し,運航関係者に対して事故時の措置等を指導した。

(国費 19,611千円)

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