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5.津波予報区の細分化 従来の津波予報では日本沿岸は、18の津波予報区に分かれており、各々の予報区の海岸線の長さは数百kmに及び、複数の都府県にまたがっていた。
シミュレーションでは、任意の地点における津波の高さを計算することができる。上述のように、データベースはおよそ10万個の断層モデルの全てについて、沿岸に沿った約600の地点での高さを格納しているため、これにより従来の18予報区をより小さなブロックに分けることが可能となった。現在の津波予報業務では、都道府県単位 もしくはさらに細かい地域に対応した、66の予報区を設定している(図6参照)。
6. 定量化された津波の高さ 表2は新しい津波予報において発表される津波の高さと予報カテゴリーを示している。一連の津波予報作業の中で最初に周知されるのがこのカテゴリーであって、「大津波」、「津波」、および「津波注意」の3種類がある。「大津波」と「津波」は警報、「津波注意」は注意報である。このやり方は従来の津波予報の場合と全く同じであり、発表される先の予報区の名前が変更されただけである。しかしながら、その内容はずいぶんと異なっている。
たとえば、津波警報の中の「大津波」は、以前の予報では"最も高いところで3m以上の津波が来襲する"というだけの意味だったが、現在の予報では、0.5m、1m、2m、3m、4m、6m、8m、10m以上の8区分の高さで予報値を算出し、その結果 が3m以上であれば「大津波」として発表するという意味を持つ。同様に、算出結果が1mまたは2mならば「津波」を、0.5mならば「津波注意」を発表することになる。
データベース自体には、上に述べた特定の8通りの高さよりもさらに細かい値が格納されているが、そのように細かく値を出しても、実際に来襲する津波の高さとは必ずしも一致しない。現実と理論との間に差異を生じさせるさまざまな原因が実際には存在していることを考えれば、むしろ、きりの良い簡単な数値で発表することが現実的と考えられる。データベースの値が約20cm以上で数十cm以下の場合は、0.5mという予報値としている。
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