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4. データベース もし、地震を引き起こす断層を規定することができれば、津波をシミュレーションするのは容易である。しかし津波シミュレーション計算は最新式のスーパーコンピューターを使ったとしても、津波予報に間に合わせるためには時間がかかりすぎるという欠点がある。
計算時間を節約しつつ、津波シミュレーション技術を導入するため、津波の発生と伝搬を事前に計算した膨大な数のシミュレーション結果 を格納したデータベースが用意された。
各々の結果、すなわちデータベースの各要素には、震源の位置、地震の規模(マグニチュード)、予想される津波の高さおよび津波到達予想時刻が日本周辺の約600地点に対して格納されている。600地点あるということは、隣接する2点が沿岸に沿って20〜30㎞の間隔で分布していることを意味する。
シミュレーションは、日本周辺の多数の場所で異なるマグニチュードのおよそ10万個の断層モデルに対して実行されている(図4に日本周辺に設定した断層の分布を示す)。もちろん、地震発生直後に推定された震源位 置およびマグニチュードがデータベースの中の要素のものと完全に一致するわけではないので、その場合は位 置(緯経度、深さ)およびマグニチュードに関する内外挿を行って、結果を得る。
断層を規定する要素について補足すると、断層の長さ、断層の幅、すべり量については、これらの量 とマグニチュードとを結びつける経験式から算出している。また、津波を発生させやすい逆断層を仮定して、断層の傾きは45°、すべり角度は90°に固定している。(表1を参照)。断層の走行は海溝軸に平行か、または大まかに海岸線に平行に設定する。これらの設定内容は、日本列島周辺で最も津波を生起しやすい地震を想定したものである。
図5は北海道南西沖地震津波の場合の、データベースを使って推定した津波の高さと実際の観測値とを試験的に比較した結果 である。細部にわたっては一致しないものの、実用的には津波の高さの分布はほぼ同じと言ってよい。
図5 北海道南西沖地震津波の場合でデータベースを使って推定された津波高さと実際の観測値との比較
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