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2. プログラムの背景 1992年4月に北カリフォルニアで起きたマグニチュード7.1の地震により発生した小さな津波は、米国西海岸を襲う極地津波の恐怖について関心を呼び起こした。津波警報を出す責任を負っている米国海洋大気局(NOAA)は、議会からカリフォルニア州の津波対策のレベル評価を依頼された。やっかいなことに、局地地震は何マイルも離れた場所で津波を発生させることがあるので、アラスカの住民が局地地震と津波に襲われている間に、ハワイと西海岸の住民もそれに伴う遠地津波に襲われる可能性がある。同様に西海岸で発生した局地津波がアラスカやハワイに影響を及ぼす場合もある。津波の中でも局地津波の方が破壊力が大きい。両タイプの津波から人命と財産を守る危険軽減プログラムを設計するのは難題である。米国海洋大気局(NOAA)は一連の研究会を召集して12の技術的提案をした、これは全国津波危険軽減プログラムの実施プランをまとめたもので、連邦と州とが連携するべースとなった。この連携の構成員は、津波に関わる連邦の3つの局、即ち米国海洋大気局(NOAA)、米国地質調査所(USGS)、連邦緊急事態管理庁(FEMA)と、津波の影響を受けるアラスカ、カリフォルニア、ハワイ、オレゴン、ワシントンの各州である。このプランは既存の技術を応用して津波の危険軽減を図ろうとするものである。
全国津波危険軽減プログラムは相互に依存する3つの構成要素 — 危険査定、警報指導、危険軽減 — に基づいている。適切な警報・危険軽減システムを考案するのにまず必要なのは、それぞれの沿岸地域について危険の種類と程度を把握することである。警報指導(物理的測定、監視網、予測アルゴリズム、警報普及手順を含む)は地域の危険査定で確認されたニーズに合わせて考案できる。そして危険査定の結果と警報指導の内容に合わせて軽減策を講じる。危険軽減策の目標は、差し迫る津波の危険に適切に対応できるようにすることであるが、これには、浸水の恐れがある地区に関する知識(査定)と、警報システムの避難・「解除」の伝達手段の確認(指導)が必要である。両方の情報がなければ、不十分な対応しかとれず、津波の危険を軽減することはできないだろう。
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