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EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
サンフランシスコ湾地域のHAZUS地震被害測定における官民パートナーシップについて
 

カルフォルニア州、サンフランシスコ湾岸地域のための
HAZUS地震被害測定機能の開発

会議資源概要

HAZUSユーザグループ会議
開催期間:2000年9月13-14日
主催者:カルフォルニア州フレモント、Wells Fargo & Company

図 15 HAZUSユーザグループ資源概要
 本プロジェクトによって作成された製品には、市、州および企業向けHAZUSアプリケーション・プログラムの試作品、地震災害訓練を支援する個別のシナリオ、サンフランシスコ湾岸地域のために入手可能なデータベース・モデルを使って作成された地域被害測定、情報交換のためのダイナミック・ウェブページ(www.hazus.org)、豊富なマーケティング資料、および地理情報システム技術者、リスク管理担当者および地震研究者向けに考案された上級HAZUSトレーニング・コースのカリキュラムが含まれる。

 入手可能な全てのHAZUSユーザグループの資源およびHAZUS危機管理プロトコル、ユーザ・アプリケーション・プログラム、データベース管理、およびサンフランシスコ湾岸地域のためのHAZUS地震被害測定に関連するガイドラインをまとめた「HAZUSユーザグループ資源概要(HAZUS Users Group Resource Manual)」、2000年用に作成されている。この説明書は、全国レベルでHAZUSシステムを実施する際に役立つ、生きた資料であり、www.hazus.orgでアクセスすることができる(図 16)。

 

結論
 
今やHAZUS地震被害評価ソフトウェアは、サンフランシスコ湾岸地域の将来の地震リスクを軽減するための重要なハイテク・ツールであると見なされており、米国内の他の地震多地帯にも同じ目的で適用できる可能性を持っている。またサンフランシスコ湾岸地域でHAZUSユーザグループの試作品を試験的に実施した結果、HAZUSソフトウェア・ツールと確かな地震の前兆によって、全てのレベルの組織団体と企業が関与する地理情報システム(GIS)技術者、地震研究者、リスク管理担当者の補足的な、貴重な、広域共同体の土台作りが可能になることが明らかになった。このHAZUSユーザグループは、将来の災害および危機管理のあらゆる段階の活動、すなわち「対応(Response)」、「復旧(Recovery)」、「軽減(Mitigation)」、「準備(Preparedness)」を促進し続けると期待される貴重な共同体を組織することに成功した。HAZUSユーザグループは、そのビジョン、使命、目的および一連の戦略的目標(「5年計画」で説明した)を明確に定義付けしたことで、ボランティア会員の数を増やすことができた。連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、電子メール、専用ウェブサイト、マーケティング資料、四季集会、トレーニングのカリキュラム、およびHAZUSユーザグループが築いたネットワークとサポート体制を介したボランティア支援の要請を行うプロジェクト・コーディネータを任命することで、地域でのHAZUSシステムの実施を推進することに成功した。

 地域および全国規模の災害軽減の方法を改善するには、地震、強風および洪水に対処するための高度なソフトウェアの開発だけでは不十分であり、地域での実施計画の内容が重要な決め手となると考えられる。この計画には、行政機関、公益事業体および産業のリスク管理担当者、災害研究者、地理情報システム(GIS)技術者による共同体を組織することも含まれる。

 

参考文献
Buika, James, A., Davis, J., McAfee, S., Mortensen, C., Nathc, S., and Tubbesing, S., 1998, Advances in Scientific and Engineering Post-earthquake Operational Response and Disaster Intelligence, Proceedings: Sixth U. S. National Conference on Earthquake Engineering, Scattle, WA.
Goltz, James, D., 1996, Use of Loss Estimates by Government Agencies in the Northridge Earthquake for Response and Recovery, Earthquake Spectra, vol. 12. no. 3.
United States Geological Survey Circular 1189, 1999, Earthquake Probabilities in the San Francisco Bay Region: 2000 to 2030.

 

謝辞
 
著者はこの紙面を借りて、編集を担当した連邦緊急事態管理庁(FEMA)のStuart Nishcnko、図を担当したカルフォルニア州ブエナパーク、オーク社(The Oak Co., Buena Park, California)のLesley Zanich、マサチューセッツ州ノーハンプトン市、ジャミーカプラン・コンサルティング(Jamic Caplan Consulting, Northampton, Massachusetts)のJamic Caplanの熱心な取り組みと希に見る貢献に感謝の意を表したい。著者は、連邦緊急事態管理庁(FEMA)から資金面での援助を受けたこと、またカルフォルニア州メンローパーク、西部災害センター(Western Disaster Center, Menlo Park, California)のRichard Daviesがボランティアでウェブサイトを開発してくれたこと、またHAZUSユーザグループのボランティア会員からの援助に対して、感謝の意を表したい。

図 16 地方自治体、民間企業および公益事業体用に作成された6つのHAZUSマップ例

 

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