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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
サンフランシスコ湾地域のHAZUS地震被害測定における官民パートナーシップについて
 
ジェームズ・ビュイカ
連邦緊急事態管理庁(FEMA)災害防止局 地域地震専門家
P. O. Box 29998, San Francisco, CA 94129, James. Buika@fema.gov, www.hazus.org
 

概要
 本書は、HAZUSの名称で知られ、国内で標準化されている、「サンフランシスコ湾岸地域のための地震被害評価ソフトウェア」の第一回地方実施について説明しており、米国内の読者を対象に書かれている。HAZUSは連邦緊急事態管理庁(FEMA)が開発した米国の被害測定システムであり、地方自治体、公益事業体および企業は無料でアクセスすることができる。ユーザはソフトウェアだけでなく、データベース、トレーニング・コース、技術サポートの無料サービスも受けることができる。

 著者は、まずサンフランシスコ湾岸地域周辺のHAZUSユーザグループをベースにした実施モデルを紹介、続いてカルフォルニア州、サンフランシスコ湾岸地域の地震被害測定ソフトウェアの改善に必要な情報を整理することを目的とした試作品実施計画について述べている。地域のための地震被害測定プログラムの開発には、様々な学問領域の専門家の協力が必要であり、著者はこのような協力関係を築き上げることを目指したマーケティング戦略の成功例を紹介することで、その重要性を立証している。最後に読者に対して、本書に紹介されている実行モデルを模倣、修正し、米国周辺のリスクの高い地震多発地帯に適用することを奨励している。

 
 

はじめに
 連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、過去3年間(1998年〜2000年)、「カリフォルニア州サンフランシスコ湾岸地域のためのHAZUS地震被害測定機能の開発(Development of HAZUS Earthquake Risk Assessment Capabilities for the San Francisco Bay Area, California)」と名づけられたプロジェクトに資金を提供してきた。本プロジェクトは、地理情報システム(GIS)技術者集団と、プロジェクト対象区域内の11州の地震研究者および危機管理担当者との間に協力関係を築くことで、サンフランシスコ湾岸地域のためのHAZUS地震被害測定機能を開発することを目的にしている。「サンフランシスコ湾岸地域HAZUZユーザグループ(San Francisco Bay Area HAZUS User Group)」の名で知られているこの共同体をベースにして、地震の脅威にさらされている地域の100を数える組織と企業が参加する重要な公共・民間共同体が組織された。地域地震被害測定は、行政担当者および危機管理担当者に標準化ソフトを提供し、まずリスク軽減計画と戦略を考案、続いて最も費用効果の高い地域リスク軽減プロジェクトを比較して、その優先順位を決めることを目的にしている。「準備(Preparedness)」、「対応(Response)」および「復旧(Recovery)」の3つのアプリケーション・プログラムもHAZUSの製品と地域地震被害測定の所産である(図 1)。

 

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