はじめに 連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、過去3年間(1998年〜2000年)、「カリフォルニア州サンフランシスコ湾岸地域のためのHAZUS地震被害測定機能の開発(Development of HAZUS Earthquake Risk Assessment Capabilities for the San Francisco Bay Area, California)」と名づけられたプロジェクトに資金を提供してきた。本プロジェクトは、地理情報システム(GIS)技術者集団と、プロジェクト対象区域内の11州の地震研究者および危機管理担当者との間に協力関係を築くことで、サンフランシスコ湾岸地域のためのHAZUS地震被害測定機能を開発することを目的にしている。「サンフランシスコ湾岸地域HAZUZユーザグループ(San Francisco Bay Area HAZUS User Group)」の名で知られているこの共同体をベースにして、地震の脅威にさらされている地域の100を数える組織と企業が参加する重要な公共・民間共同体が組織された。地域地震被害測定は、行政担当者および危機管理担当者に標準化ソフトを提供し、まずリスク軽減計画と戦略を考案、続いて最も費用効果の高い地域リスク軽減プロジェクトを比較して、その優先順位を決めることを目的にしている。「準備(Preparedness)」、「対応(Response)」および「復旧(Recovery)」の3つのアプリケーション・プログラムもHAZUSの製品と地域地震被害測定の所産である(図 1)。