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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
地域の安全優先への取組み:
カリフォルニア州バークレーの概観
 

危険調査記録
 
1990年初めにロマプリエタ地震による地域的建造物被害を調査した後、地元のリーダー達が、大災害に耐えねばならない学校や消防署、市立施設を含めた地方自治体建物の点検に乗り出した。これはもともと、地元の学校の安全性を懸念する地元住民の声により始まったものだったが、この一見単純な構造点検は、のちに激しい議論の的になった。

 予備調査が1991年に終わると、バークレーの主要公共建築物の構造的なもろさは明らかになった。市内の学校と市営施設の多くが1930年代1940年代に、硬質コンクリートで建設されており、命の安全を保障できないのが分かった。市内の16校中、7校が非常に危険と判断された。調査で、地方自治体ビル、消防署、警察と消防本部、公共事業施設、古い市役所、公民館と主な図書館はすべて地震の危険に晒されている事が分かった。全て建設時の防火・耐震基準に従って建てられているのである。しかし、最近の地震に関する情報から、我々は新しい教訓を得た。過去20年で既存の建物の点検技術や修復技術が進歩し、地震損害と建物の機能に関する新発見を現在の計画や政策の考慮に入れていく必要性を浮き彫りにしたのである。

 技術面からの報告書が明らかにした情報は地域に衝撃を与えた。市の政策者は、これほど多くの建物に何らかの対策が必要だという事実に取り組む計画を協議しなければならなかった。学校の建物の安全性を高める作戦の開発を支援するため、市教育委員会役員が、学童の親と地域住民で構成された特別緊急対策本部を召集した。さらに、危険を軽減して、災害に備える最善策について市長と市議会に提言するために、市職員は災害準備を市民緊急対策委員会(後に災害議会 (Disaster Council) と呼ばれる)に依存した。こうした政府/民間の協力関係を築くことによって、バークレーは地域の被害軽減の成功に投資したのである。

 

成功する地域協力
 
バークレー学区は、対策委員会やより大きな地域諮問委員会と共に精力的に働きかけ、市内の学校における地震の安全性問題の範囲を定義した。18カ月をかけて地域団体は全学校の徹底的な点検計画を立てて、それぞれの地区が再建プロジェクトのためのスケジュールの優先順位付けができるようにした。一方、災害議会は市の安全情報センターとなり、重要公共建築物のアップグレード続行の必要に関して選出役員達に提言を行った。

 この計画作業は地震の安全性提唱者組織の養成につながり、この組織は後に、地震予備改造に資金供給するための地方税増額をめざす3件の政治運動(1992年と1996年)の先頭に立った。市はバークレーのすべての公立学校、消防署と主要な市営施設の改良に資金を供給する債券法案のために2億6200万ドルを投じる事について、有権者の賛成を得た。どの法案も、州法基準の66%以上の賛成率を得た。また、地方公務員は危険に非常に晒されやすい丘部地域で防火対策活動に資金を供給するために、同じく特別査定地区を設立した。

 地域資金の使途は州・連邦資金の借入資本を利用した投機である。FEMA は住宅と市立プロジェクトに3千6百万ドル以上を、近所のカリフォルニア大学バークレー校に4千6百万ドル以上を投資した。大学の防災プロジェクト (Disaster Resistant University Project)その他の損失推測研究といった、災害予備対策のためのFEMA 追加資金供給によって、連邦の建設寄金を補う。

 

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