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EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
被害の予備査定、必要情報並びにスタフォード条例
(Stafford Act)
 
FEMA IX地域対応・復旧部(Response and Recovery Division)
マイケル・W・ローダー
早期査定作業部会(Rapid Assessment Working Group)
ジョン・P・マレー
 

要約
 
大地震の発生とその震源地はすぐに分かるのが普通だが、人命救助と被害軽減のためには、直ちに大量の追加情報が必要になる。情報入手手段の一つが、このプレゼンテーションの主題である「地震情報収集計画」(Earthquake Information Collection Plan)である。この「地震情報収集計画」は、FEMAと他の連邦機関が作ったもので、人命救助、被害軽減、財産保護のためにはどの情報が必要で、地震後いかに迅速な情報収集をすべきかを決めるためのものである。

 Essential Elements of lnformation (EEI)は、重要な災害情報を表すために使われる用語である。概括的に言うと、EEIは2つのエリアに分かれる。予測(コンピュータ・モデリングによる)と事後観測(航空、衛星または特別非常事態対応部隊による提供)である。

 現在の地震情報収集計画には予測と観測を併せて、およそ25のEEIがある。FEMA が地震後直ちに得るEEIは、大地震直後の惨状において特に役立つのだが、この論文はその中の数点に焦点をあてようとするものである。

 震災情報に共通するテーマは、地理情報システム(geographic information systems-GIS)だ。基本的なレベルにおいて、GISは種々のデータベースからもらった情報をいろいろな表や地図に示す、コンピュータ化された地図作成システムである。より高度なGIS地図は、地面の急激な加速と不安定な地盤を関連づけて、地盤タイプについての情報を入れることができる。それで、地表面上の揺れ、地盤の液状化、関連被害が最大であった可能性が高い地域の最初の地図を作り出すのである。この論文は、FEMA によって開発されたHAZUS 被災想定方法論、数式と建造物についての情報を使ったソフトウェアプログラム、ローカルな地質学と地震の可能性がある場所及びその規模、経済データ、地震による被害額推定のための他の情報も検討する。

 また、交通輸送とコミュニケーション上のEEIに関する追加資料も含まれている。

 
 

1999年11月木曜日セッション
第3セッション:地震後の緊急対応活動についての情報交換

 大地震の発生とその震源地はすぐに分かるのが普通だが、人命救助と被害軽減のためには直ちに大量の追加情報が必要になる。一旦入手された情報は、緊急対応部隊に回され、最適な対応を決定するために使われる。

 連邦の災害対策機構であるスタフォード条例 (Stafford Act) の下で、連邦調整役員 (Federal Coordinating Officer -FCO)が指名され、地震被害を受けた地域での全連邦機関の活動を調整する。条例の302項にもとづく、FCOの第一機能は「最も差し迫った救援物資ニーズの種類の予備査定」である。

 通常、この査定には「予備的な被害査定」(Preliminary Damage Assessments- PDA )として知られているプロセスが使われる。これは災害地域を調査するために専門家のチームが多数集められるものである。チームは大体査定を完了するのに数日をかけ、住宅、ビジネス、公共施設を調査する。PDA は単に被災レベルの決定において有効であるだけではなく、災害が宣言されるべきであるかどうか、あるいは特定の管轄区域を災害宣言に含めるべきかどうかの決定にも役立つ。

 しかし、間違いなく大規模な災害が起こったと考えられる大地震の場合、 PDAを行っている時間は限られており、道路事情により PDA チームがその区域に入ることさえできないという可能性が十分ある。このような場合、一層迅速なプロセスで、公式の災害宣言を待たずとも、直ちに人命救助その他の重要な活動を行わなければならない。

 被害の程度に加え、必要な追加情報と不必要な情報を見極めるのも重要だ。さもなければ、情報過多で、分別の時間もないのに重要なデータが些細なものと混交されてしまうかもしれない。
(注:FEMAでは、災害データは緊急事態支援機能(Emergency Support Function-5; ESF-5)とも呼ばれる情報計画セクション(Information and Planning Section)で収集、確認、報告される。ESF-5は必要情報を整理し、情報を緊急対応部隊に配信する。)

 必要な情報の種類、情報源とその入手方法、形式、配信の対象と時期の決定は地震の前に行うことが可能である。

 情報収集過程の一つがこのプレゼンテーションの主題である「地震情報収集計画」(Earthquake Information Collection Plan) (添付)である。この「地震情報収集計画」はFEMAと他の連邦機関が作ったもので、人命救助、被害軽減、財産保護のためにはどの情報が必要で、地震後いかに迅速な情報収集をすべきかを決めるためのものである。

 Essential Elements of lnformation (EEI)は、重要な災害情報を表すために使われる用語である。現在の地震情報収集計画には予測と観測を併せて、およそ25のEEIがある。今日のプレゼンテーションでは、FEMA が地震直後に得るEEIの中で、大地震直後の緊急対策に特に役立つ最も重要なものを取り上げる。

 

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