FEMA IX地域対応・復旧部(Response and Recovery Division) マイケル・W・ローダー 早期査定作業部会(Rapid Assessment Working Group) ジョン・P・マレー
要約 大地震の発生とその震源地はすぐに分かるのが普通だが、人命救助と被害軽減のためには、直ちに大量の追加情報が必要になる。情報入手手段の一つが、このプレゼンテーションの主題である「地震情報収集計画」(Earthquake Information Collection Plan)である。この「地震情報収集計画」は、FEMAと他の連邦機関が作ったもので、人命救助、被害軽減、財産保護のためにはどの情報が必要で、地震後いかに迅速な情報収集をすべきかを決めるためのものである。
Essential Elements of lnformation (EEI)は、重要な災害情報を表すために使われる用語である。概括的に言うと、EEIは2つのエリアに分かれる。予測(コンピュータ・モデリングによる)と事後観測(航空、衛星または特別非常事態対応部隊による提供)である。
震災情報に共通するテーマは、地理情報システム(geographic information systems-GIS)だ。基本的なレベルにおいて、GISは種々のデータベースからもらった情報をいろいろな表や地図に示す、コンピュータ化された地図作成システムである。より高度なGIS地図は、地面の急激な加速と不安定な地盤を関連づけて、地盤タイプについての情報を入れることができる。それで、地表面上の揺れ、地盤の液状化、関連被害が最大であった可能性が高い地域の最初の地図を作り出すのである。この論文は、FEMA によって開発されたHAZUS 被災想定方法論、数式と建造物についての情報を使ったソフトウェアプログラム、ローカルな地質学と地震の可能性がある場所及びその規模、経済データ、地震による被害額推定のための他の情報も検討する。
被害の程度に加え、必要な追加情報と不必要な情報を見極めるのも重要だ。さもなければ、情報過多で、分別の時間もないのに重要なデータが些細なものと混交されてしまうかもしれない。 (注:FEMAでは、災害データは緊急事態支援機能(Emergency Support Function-5; ESF-5)とも呼ばれる情報計画セクション(Information and Planning Section)で収集、確認、報告される。ESF-5は必要情報を整理し、情報を緊急対応部隊に配信する。)
情報収集過程の一つがこのプレゼンテーションの主題である「地震情報収集計画」(Earthquake Information Collection Plan) (添付)である。この「地震情報収集計画」はFEMAと他の連邦機関が作ったもので、人命救助、被害軽減、財産保護のためにはどの情報が必要で、地震後いかに迅速な情報収集をすべきかを決めるためのものである。
Essential Elements of lnformation (EEI)は、重要な災害情報を表すために使われる用語である。現在の地震情報収集計画には予測と観測を併せて、およそ25のEEIがある。今日のプレゼンテーションでは、FEMA が地震直後に得るEEIの中で、大地震直後の緊急対策に特に役立つ最も重要なものを取り上げる。