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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
アメリカライフライン同盟−国家災害に対するユーティリティと輸送システムの危険軽減
 

 この論文は、ALAで使用されるライフライン指針と規格の開発方法を説明するものである。自然災害の危険管理に通常用いられる一般手順は全てのライフラインに対するALAプロダクト開発のテンプレートの役割を果たすものである。現在、いくつかのライフライン領域で指針の要素が開発されている。

ALAプロセスに適したシステムは以下を含む
- 電力の伝達と分配
- 天然ガスの伝達と分配
- 携帯水の運搬と分配
- 下水の運搬と処理
- オイルおよび液体燃料の取扱い、輸送、貯蓄
- 高速道路
- 鉄道
- 海港および内陸の水路港
- 航空輸送
- 遠距離通信
 

 

ALAの役割と範囲
 
ワーキンググループの指針に基づき、ALAは合意されていない指針、規格、および産業の手法が存在するライフラインシステムを識別してきた。ALAはこれら既存の文書を取り上げ、適切に統合、改良し、正式な合意プロセスを通じて文書化に導いている。個々のプロジェクトは合意の達成のための標準開発協会(SDO)、ユーティリティあるいは輸送共同体の適切な部署の代表者、関連する製造業および技術共同体の代表者から構成されている。個々の合意文書をSDOに置くことは文書が定期的にレビュー、更新されることを保証し、したがって、新しい災害データ、更新された性能評価手順、社会の危険受入れ水準の変化に関して最新の状態にある。ALAは広範囲の後援組織と利害関係者とともに資金調達し、特定の活動に同様の支援を行っている。ALAプロジェクトワーキンググループのメンバーとFEMA要員はこれらの活動の調整と監督をおこなっている。

 自然災害の緊急事態管理のための既存の手法は正式な合意プロセスを成就するには十分開発されていない場合もある。たとえば、氷荷重災害のデータベースは限られた地域でのみ開発され、パイプラインの水輸送の性能評価手順は国内で使用されるパイプの範囲、土壌の状態、地振動の水準、恒久的な地盤変形の水準のために包括的に集められてはいない。このような状況では、ALAの役割は資金調達あるいは国内的合意が達成されるポイントまで手法を改善するか拡張する研究やプロジェクトを勇気付けることである。

 

一般危険分析手順
 
ALAは自然災害を受けたユーティリティおよび輸送システムの性能を評価し、その危険を軽減する活動を識別する一般手順を用いている。ALAが後援している国内合意指針が特定のユーティリティあるいは輸送システムに適用されれば、自然災害が生じたときに同様のシステム性能が定量化され、可能な被害削減活動が行われる。

以下の6つの段階がその手順を説明する。

1. 自然災害を識別、定量化する
 既存の国内的あるいは地域的に受け入れられた災害マップおよびその他のデータが使用されなければならない。確率的災害分析は個々の成分の評価のために災害を構成するのに用いられ、ほとんどの場合、固定的災害基準(最大災害値など)の代わる物資調達仕様として適切である。多重シナリオ表現は空間的に分散したライフラインシステムの評価のための災害の定量化に使用されなければならない。

2. システム中の成分の予想される被害状態を識別、定量化する
 成分の脆弱曲線は、災害の強度の関数として成分がある被害状態にある確率を表わすのに用いられる。脆弱曲線は実験から得られたデータと種々の自然災害強度水準の指定された被害状態に関して成分の挙動を評価する技術分析手順を用いて作成された。入力データのランダム性および組織の不確定性、技術分析手順および被害状態の相関性が考慮されなければならない。

3. 自然災害の影響を受けたときのシステム成分の被害状態と機能を評価する
 シナリオ説明は脆弱曲線とともに、位置と被害の程度の不確定性を盛り込み、成分の被害状態の発生を評価する。個々の成分の機能は特定の被害状態の時に評価される。

4. 評価システムの機能
 個々の被害状態のシナリオにおける成分の機能はシステムモデルに組み込まれ、多重被害状態のシナリオに対する災害後の業務要求に適応するシステムの能力を評価するのに用いられる。この評価はシステムの対ユーザーサービス性の低下、サービス回復時間、生命の安全性に対する脅威を検討する。この評価はオペレータの経験や判断を組み込む必要がある。評価結果は個々のシナリオあるいは多重シナリオに統合される。

5. ライフラインシステム機能の低下、財務上の損失あるいはその他の損失の影響を識別、評価する
 この分析は顧客あるいはユーザーの財務上の損失、政府業務の影響などの外部の影響はもとより、被害の直接費用、売上の損失、負債、公共の支持の喪失など、内部の影響も考慮しなければならない。

6. システム所有者およびその他に指針を提供する
 受入れ可能な性能仕様の基準および将来の災害において損失を最小化する新しい建築基準の選択に関して指針が提供されなければならない。現在、認められていないシステムの性能を軽減する別途の方法が提供されなければならず、それはシステムの機能追加、災害後の緊急事態対応、回復計画など、災害後のライフラインの被害を軽減する非技術的方法はもとより、成分のグレードアップや改良を含めなければならない。

 

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