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2 建築構造面での建築規制の概要
本来、国民の経済活動や家庭生活の基盤である建築物の安全性を確保することは、国民の生命、健康財産を保護するために不可欠であり、そのためには何らかの最低限度のルールを定め、その遵守を求めることが必要で、そのルールの体系を建築規制と呼んでいる。
そのルールをどのような制度的枠組みの中で構成すべきかは、必ずしも一定ではない。先進国と呼ばれる国々では、何らかの形で建築規制が行われているのは事実であるが、それをどのような制度で担保しているかは様々である。例えば、保険制度のような民間市場活動を中心に据え政府は全体の仕組みを規定すると言った間接的な介入とするか、或いは行政手続きに重きを置いて政府の直接的介入を中心に考えるかという切り口、次に政府が直接的に行う仕事としてもそれを中央政府の仕事とするか地方政府の仕事とするかという切り口、さらに政府の仕事としても行政制度中心で考えるか司法制度を活用することを考えるかという切り口など様々であり、国々によってそのアプローチはまちまちである。ただ、共通することは、建築活動には一定の社会的制限が必要であるという点、制限の内容については基準が明らかにされているべきであると言う点、建築物の設計施工には欠陥の発生を避けて通れず、何らかの形で建築物の適否を判定する、ある程度の専門能力が必要であると言う点、等であり、このため建築規制という社会的制度が何らかのかたちで必要であるという認識があることであろう。
我が国の場合、近代法制度としては大正8年に市街地建築物法が制定され、その施行令及び規則に建築物の安全性に関する規定が設けられたのが建築規制の出発点であると言われている。その後、昭和25年に現在の建築基準法が制定され、これと同時に制定された建築に携わる専門家の資格を定める建築士法が建築規制制度の中心となっている。
建築規制制度は、大きく分けてどのような制限を加えるかという規制内容を示す部分と、その規制内容が守られることをどう担保していくかという規制方法の部分に分かれる。規制内容は建築基準法及び同法により指定された他の法律の中で法、政令、告示、或いはこれらを受けた条例と言った形で明示され、建築基準、技術基準などと呼ばれている。これらの基準と実際の設計や施工が適合しているかどうかを確認する行為、すなわち規制の実行は建築確認や検査を通じて行われる。
新築や増改築、大規模な修繕模様替えなど規模の大きい建築行為を行おうとする者は、その内容を示して建築確認を得なければならない。この手続は、特定行政庁と呼ばれる都道府県や市区町村に置かれている建築主事によって審査される。
なお、本年5月1日より、建築基準法の改正で、このような行政庁以外でも都道府県知事又は建設大臣の認可を得た民間機関が、このような手続を行うことが出来るようになった。審査では、建築物の規模や用途に関する審査の他に、特に安全に関係する構造や防火の規定の遵守状況が設計図等で審査される。
また、建築工事が完了すると完了検査を受け、工事が問題なく行われているかどうかを建築主事又は民間確認検査機関により審査されることとなっている。なお、今般の建築基準法の改正により、場合によっては施工途中に中間検査を受けることが義務づけられることもあるが、これは特定行政庁の指定によることとなっている。
このように、建築工事を行うに当たって安全性を確認する仕組みがあるのであるが、さらに、建築士法により建築物の設計や施工が適切に行われているかどうかを確認する工事監理は、建築士の資格を得た者でなければ行うことが出来ず、その業務を定常的に行う場合は建築士事務所を開設し都道府県知事の登録を受けることとなっており、業務に従事するものの資質や業態に制限を加えることでも担保を図ろうとしている。
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