静岡県は有史以来たびたび地震、津波による災害に見舞われている。駿河湾から遠州灘にかけての海域には海洋プレートの境界を成す駿河トラフや南海トラフが存在し、巨大地震を繰り返し発生させてきた。陸域には糸魚川・静岡構造線や中央構造線などの大きな地質構造線が存在し、また、富士川河口断層帯、伊豆半島に分布する断層など多くの活断層が存在し、内陸直下の被害地震を発生させてきた。
特に近年では1930年北伊豆地震、1935年静岡強震、1944年東南海地震、1974年伊豆半島沖地震、1978年伊豆大島近海地震、また1978年頃より始まった伊豆半島東方沖の一連の群発地震活動による地震災害が発生している。
現在、本町に著しい被害を発生させる恐れがあり、その発生の切迫性が指摘されている地震としては、駿河湾から遠州灘を震源域とするマグニチュード8クラスの東海地震、神奈川県西部を震源域とする地震がある。このほか伊豆半島を震源とする地震活動にも注意を払っておく必要がある。
1 危険度の試算
地震によって、町内の各地でどのような現象が発生し、どの程度の被害を受けるかを定量的に試算した結果を示し、合理的な防災対策の樹立に資するものである。
なお、この試算値は、今後、適切かつ効果的な地震対策の推進、さらに町民の防災への自助努力を積み重ねることによって、大幅に減少させることができると考えられる。
![]() | ![]() |