第1節 計画の主旨
被災者が新たな生活への意欲を持つことに重点を置き、市民生活の安定を図るための施策を講ずるとともに、自力による生活再建を支援する。
第2節 恒久住宅対策
被災者の生活再建を支援するため、生活基盤である住宅については、被災者による自力再建を基本とした住宅再建支援を行うとともに、公的住宅の供給を行う。
1 住宅復興計画の策定
計画策定本部に設置される策定委員会の下部組織として、住宅復興計画部会を設置し、住宅復興方針等を定めた静岡市住宅復興計画を策定する。なお、県の住宅復興計画を踏まえ、連絡調整を行う。
2 住宅再建支援
被災者の自力再建に関する経済的負担を軽減するため、住宅再建に関する融資の利用者に対し、必要に応じ利子補給等を実施する。
3 民間賃貸住宅の供給促進
民間賃貸住宅の供給を促進するため、建替や新規整備を行う事業者に対し、必要に応じ利子補給等を実施する。
4 公的住宅に関する協議
次の事項について県と協議する。
(1) 災害復興公営住宅の建設に関する役割分担
(2) 買取り・借上げによる公営住宅の供給に関する役割分担
(3) 特定優良賃貸住宅の供給に関する役割分担
5 市営住宅等の供給
(1) 他の用途と調整を行い、公有地等のオープンスペースを建設用地として確保し、市営住宅を建設する。
(2) 買取り・借上げによる市営住宅の供給を推進する。
(3) 特定優良賃貸住宅の供給の促進を図る。
6 住宅に関する情報提供
相談窓口等において、自力再建支援及び公的住宅の入居に関する情報等を提供する。
第3節 災害弔慰金等の支給
震災により死亡した者の遺族に対し災害弔慰金を、精神又は身体に著しい障害を受けた者に対し災害障害見舞金を支給する。
1 支給対象者の把握
「災害救助法」の適用のための調査結果等を活用し、災害弔慰金と災害障害見舞金の支給対象者を把握する。
2 支給方法の決定及び支給
災害弔慰金と災害障害見舞金の支給方法を定め、「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づき支給する。
第4節 被災者の経済的再建支援
被災者が、震災による痛手から速やかに再起し、生活の安定を回復するため、被災者に対して金銭の支給及び資金の融資等の経済支援を行う。
1 被災状況の把握
「災害救助法」の適用のための調査結果等を活用し、次の事項を把握し県に報告する。また、情報が不足している地域には補足調査を行う。
(1) 死亡者数
(2) 負傷者数
(3) 全壊・半壊住宅数 等
2 り災証明の発行
(1) り災証明発行窓口を設置し、被災状況調査を基に希望者にり災証明を発行する。
(2) り災証明調査窓口を設置し、再調査の希望に対応する。
3 災害援護資金の貸付
「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づき、被災世帯を対象に災害援護資金の貸付を行う。
4 被災者生活再建支援金の支給
被災者生活再建支援基金により委託された事務を迅速に実施する。
5 義援金の募集等
(1) 市への義援金を受け付けるために、市役所等に受付窓口を設置するとともに、銀行口座を開設する。
(2) 県が設置する義援金募集・配分委員会(仮称)に参加する。
6 租税の減免等
地方税法及び条例に基づき、市税の減免及び徴収猶予、申告等の期限の延長等の適切な措置を行う。
7 国・県への要望
国・県に対し、国税・県税の減免や徴収猶予、社会保険関係の特例措置の実施等を要望する。
第5節 雇用対策
被災者の経済的な生活基盤を確保し、迅速な生活再建のため、雇用維持推進を図る。
また、震災により離職を余儀なくされた被災者の生活再建を図るため、再就職支援を実施する。
1 事業者支援の周知
市内の事業主や業界団体等に対し雇用の維持を要請するとともに、雇用調整助成金制度の内容等を事業主に迅速に周知し、制度の積極的な活用を促す。
2 離職者に生活支援の実施
雇用保険給付対象者の拡大、給付日数の延長及び手続きの弾力的措置の実施等を県に要望する。
3 再就職の支援制度の周知
離職者の再就職を促進させるため、各制度の周知及び活用を促す。
(1) 職業訓練、能力開発等制度のPR
(2) 特定求職者雇用開発助成金制度の活用の推進
(3) 合同就職説明会の開催
第6節 災害弱者の支援
高齢者や障害者等のいわゆる災害弱者は、震災による生活環境の変化等に対応することが一般の被災者よりも困難であることから、速やかに安定した生活を回復できるよう積極的な支援を行う。
また、生活環境の変化や心理的不安等の理由から身体的及び精神的に変調をきたした被災者が震災から早期に立ち直れるよう、精神的支援策を実施する。
1 被災状況の把握
「災害救助法」の適用のための調査結果等を活用し、次の事項を把握し県に報告する。また、情報が不足している地域には補足調査を行う。
(1) 災害弱者の被災状況及び生活実態
(2) 被災地内外の社会福祉施設の被災状況及び再開状況
2 一時入所の実施
震災により新たに社会福祉施設への入所が必要となった要援護者に対し、市有施設への一時入所を実施する。
3 福祉サービスの拡充
(1) 定員以上の入所者及び通所者を受け入れている市有施設を対象に、人員確保や必要となる設備の導入を行うとともに、民間の施設を対象に支援を行う。
(2) 緊急通報システムの整備、巡回の実施といった在宅福祉サービスの充実を図る。
(3) 被災児童等については、学校巡回相談等を実施するとともに、児童・学童相談所等の専門相談所を設置する。
4 民間社会福祉施設の再建支援
社会福祉法人の設置する施設等の民間社会福祉施設の再建を支援する。
5 メンタルヘルスケアの実施
精神相談窓口を開設するとともに巡回相談を実施し、被災住民に対する相談体制を確立する。
6 健康管理の実施
応急住宅に居住する被災住民に対する健康管理体制を確立するとともに、保健管理・栄養指導等を実施する。
第7節 生活再建支援策等の広報・PR
被災直後の応急復旧期から復興期にかけて継続的に生じる生活再建関連施策に関する情報提供のニーズに対応し、被災者の一日も早い生活再建を促進するため、生活再建に関する支援施策等の情報提供を積極的に行う。
1 生活再建支援施策等の広報・PRの実施
ラジオ・テレビ等のマスメディアや広報しずおか等を用い、次のような生活情報を整理し広報・PRする。
(1) 義援金の募集等
(2) 各種相談窓口の案内
(3) 災害弔慰金の支給等に関する情報
(4) 公営住宅への入居や住宅再建支援策等に関する情報
(5) 被災者生活再建支援金に関する情報
(6) ボランティアに関する情報
(7) 雇用に関する情報
(8) 融資・助成情報
(9) その他生活情報 等
2 外国人への広報
外国人を対象とした外国語の情報紙等を作成し、配布する。
3 県外疎開者への広報・PRの実施
全国紙や全国版のテレビ・ラジオや県外の地方公共団体の広報紙等を活用し、県外疎開者に対し震災関連情報を提供する。
第8節 相談窓口の設置
被災者が速やかに安全で安心できる生活を送れるよう、様々な問題解決への助言や情報提供等の各種生活相談を実施する総合的な相談窓口を設置する。
1 相談窓口等の開設
(1) 発災後の相談ニーズに応じ相談窓口等を設置するとともに、相談担当職員等を動員する。
(2) 相談員等の設置に当たり、必要に応じ県に対して相談員の派遣を要請する。
2 相談窓口等の業務の遂行
(1) 電話や面接等により、必要とされる情報を的確に提供し、様々な生活相談に対応する。
(2) 県と十分な連携を図り、相談体制の一層の充実を図る。
3 相談窓口等の閉鎖等
相談状況に応じ、相談窓口等の役割が終了したと判断される場合は、これを閉鎖する。
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