松山市自主防災組織ネットワーク会議
愛媛県松山市市民防災安全課
1 設立の背景と「共助」の理念
松山市自主防災組織ネットワーク会議は、住民主体の地域防災力強化を目指し、平成20年(2008年)6月に設立されました。市内全41地区の自主防災組織連合会代表と、防災士の代表者の計82名で構成され、自主防災組織相互のつながりや、消防団や女性防火クラブなどの関係団体とも連携を深めながら、日頃の防災活動の充実や地域の防災意識の向上に取り組んでおり、「自分たちのまちは自分たちで守る」という共助の精神が根づいた活動を展開しています。
2 防災士養成と地区防災計画の策定
地域防災の要となる「防災士」の育成に注力しており、市が平成17年度に全国に先駆けて導入した「全額公費負担制度」に全面的に協力しています。当ネットワーク会議では、全ての自主防災組織への防災士配置を目指して、広く受講を呼びかけるなど、資格取得の機会を後押ししています。こうした貢献により、松山市は令和6年(2024年)8月に市区町村別で全国初となる「防災士1万人」を達成しました。また、平成26年の法改正で創設された「地区防災計画」については、地域特性に応じた計画策定を主導し、平成29年度という早い段階で「市内全41地区での策定完了」を達成しています。こうして住民自らがリスクを検証して作った計画は、毎年の訓練を通じて実情に合わせて更新し、実効性を高めています。

写真1 防災シンポジウムでの講演(令和7年11月23日撮影)
3 知見の共有と「犠牲者ゼロ」への決意
組織の活性化と専門性の向上を目的に、分科会や研修会を毎年開催しています。特に「分科会」では、消防署の管轄ごとに、トイレ対策や津波避難、要配慮者支援など、地域の持つ災害特性に即した専門性の高いテーマで意見交換を行っています。最新の知見を各地区へ持ち帰り、還元することで、市全体の防災意識の底上げを図っています。これらの実績は決してゴールではなく、真の目的は災害における「犠牲者ゼロ」の実現です。訓練や防災活動のプロセスで培われた「地域の絆」という一番の宝を力に、災害に強い安全・安心な松山市を次世代へとつないでいきます。

写真2 分科会での「逃げ地図づくり」ワークショップ(令和7年12月13日撮影)
