防災の動き



令和8年(2026年)5月から防災気象情報が新しくなります
気象庁大気海洋部気象リスク対策課

1 はじめに

 近年、地球温暖化の影響もあり、集中豪雨等により自然災害が頻発化・激甚化しています。自然災害から身を守るためには、住民の皆様一人ひとりが、大雨等の気象状況等に応じた避難等の防災行動を自主的にとることが重要です。そうした防災行動の判断を支援する情報として、気象庁では大雨警報等の様々な防災気象情報を提供しています。これらの防災気象情報を、より分かりやすく、伝わりやすいものとしていくため、国土交通省水管理・国土保全局と気象庁では、令和4年(2022年)1月から「防災気象情報に関する検討会」を開催しました。この検討会では、防災情報の専門家や報道機関、気象予報士等の有識者の方々による議論を2年半にわたり重ね、その結果は令和6年(2024年)6月に提言としてとりまとめられました。気象庁では、その提言を踏まえた新たな防災気象情報の運用を令和8年(2026年)5月下旬から開始します。

 この新たな防災気象情報では、河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮に関する警報・注意報を、避難行動に対応した5段階の警戒レベルと整合させ、災害発生の危険度に応じて発表します。これまでの警報・注意報等の情報体系が大きく変わることから、以下に新情報の概要をご紹介いたします。

図1 新しくなる警報等の一覧表

図1 新しくなる警報等の一覧表

2 新情報のポイント

(1) 5段階の警戒レベルへの整合等

 避難情報に関するガイドラインでは、5段階の警戒レベルにより住民がとるべき行動が設定されています。警戒レベルに相当する河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮に関する情報は、これまで警戒レベルとの対応が情報ごとに異なり、分かりにくい点がありました。新情報では、情報名称への警戒レベルの数字の付記、河川氾濫に関する特別警報の新設、警戒レベル4に相当する危険警報の創設等、情報の名称や体系を見直します。これにより、国民の皆様がとる防災行動の判断を、より一層支援できるようにします。

(2) 情報への警戒レベルの付記

 危機感を適切に伝え、住民がとるべき防災行動をより連想しやすくするため、情報に対応する警戒レベルとの関係を明確にし、情報名称そのものに警戒レベルの数字を付けて発表します。例えば、警戒レベル3相当の大雨警報は「レベル3大雨警報」として発表します。これにより、レベルの数字を見聞きしただけで、現在の気象状況が、どのような防災行動をとるべき段階にあるのかが分かりやすくなります。

 レベル3の警報やレベル4の危険警報が発表された場合には、自治体からの避難指示等に十分留意いただくとともに、災害の危険度の高まりを地図で表示する「キキクル」や河川の水位情報を参照して、危険な場所にいる方は早めの避難を心がけてください。

(3) 河川氾濫に関する特別警報の新設

 河川氾濫については、これまで予測技術が十分ではなかったことから、特別警報を運用していませんでした。しかし、近年の河川水位の観測・予測技術の進展により、特別警報の運用が技術的に可能となってきました。このため、洪水予報河川を対象として、河川ごとに河川氾濫に関する特別警報の運用を新たに開始し、「レベル5氾濫特別警報」として発表します。

 また、これまで発表していた市町村ごとの洪水警報・注意報の発表を今後は行わず、洪水予報河川以外の河川については大雨に関する警報・注意報等で扱います。

(4) レベル4相当情報としての「危険警報」の運用

 これまでは、自治体からの避難指示発令に当たる警戒レベル4に相当する情報について、土砂災害では「警戒情報」、河川氾濫では「危険情報」といったように、情報名称が統一されていませんでした。また、大雨による浸水害を対象とする警戒レベル4相当の情報がないという課題がありました。このため、警戒レベル4に相当する情報として、新たに「危険警報」を運用することで情報名称の統一を図ります。併せて、大雨に伴う浸水害等について「レベル4大雨危険警報」を新設します。

(5) 気象防災速報、気象解説情報の新設

 これまで、特別警報や警報、注意報等の警戒レベル相当情報を補足・解説する目的で、様々な気象情報を運用していました。新たな防災気象情報では、これらを大きく2つに分類します。

 短時間の記録的な大雨や線状降水帯による大雨、竜巻の発生等、極端な現象を速報的に伝える情報は「気象防災速報」として、その他の情報は気象状況等を網羅的に解説する「気象解説情報」として、それぞれ発表します。

図2 気象防災速報と気象解説情報

図2 気象防災速報と気象解説情報

3 新情報の周知広報に向けて

 防災気象情報は社会の様々な場面で活用されています。今回改善する新たな防災気象情報がしっかりと社会に定着し、有効に活用されることが何よりも重要です。気象庁では関係機関と連携しながら、あらゆる機会をとらえて、引き続き新情報の周知広報に取り組んでまいります。

 新情報の周知広報に向けて、気象庁と各地の気象台では自治体等と連携し、住民向けの講演会等を開催しています。

 その周知広報の一環として、昨年12月に文部科学省と共に「『日本の気候変動2025』と地域防災を考えるシンポジウム」を開催しました。新たな防災気象情報について解説するとともに、地球温暖化による降水の変化への対応や、各地における水防災の取組について報告がありました。地球温暖化がさらに進めば、極端な大雨の発生頻度・強度はさらに増加すると予測されており、自然災害への備えが一層重要となります。シンポジウムの録画をアーカイブ配信していますので、ぜひご覧ください。

気象庁「新たな防災気象情報について(特設ページ)」

▶https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/keiho-update2026/index.html QRコード

気象庁「『日本の気候変動2025』と地域防災を考えるシンポジウム」

▶https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/climate_lecture/index.html QRコード

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