防災の動き



品川区の防災の取組
東京都品川区防災課

1 LINEを活用した避難者把握システムの実証実験

 令和7年(2025年)8月31日に品川区立延山小学校でLINEを活用した避難者把握システムの実証実験を行いました。(写真1)これまで区では、紙を使用した避難所の受付を行っていたため、避難所運営者の膨大な事務処理負担や、紙管理に伴う避難者の個人情報保護などの課題がありました。そのため、避難所での受付をスムーズに行うこと、また、避難者の把握を迅速に行うことを目的として、LINEを活用した避難者把握システムの実証実験を行いました。

 当日は延山小学校の近隣にお住いの区民約50名が参加し、紙を利用した避難所受付と、LINEを活用した避難所受付を行いました。紙の場合は13分32秒、LINEの場合は4分16秒と、9分16秒の短縮となり3分の1の時間で避難所受付を行うことができました。

 事後のアンケートでは、「選択するだけなので入力が楽」「日頃からLINEを活用しているので馴染みがある」といった意見や「事前に登録する仕組み作りが大切」といった意見をいただきました。

 LINEの設計は、委託ではなく区職員が構築したため、経費をかけずに導入できたほか、住民からの意見を柔軟に反映させることが可能となりました。区では今年度末の本格導入に向けて、マイナンバーカードとの連携や在宅避難者の把握も含めて検討していきます。

写真1 延山小学校 LINE避難者把握システム検証(令和7年(2025年)8月31日撮影)

写真1 延山小学校 LINE避難者把握システム検証(令和7年(2025年)8月31日撮影)

2 誰もが参加しやすい防災訓練の実施について

 防災訓練への参加をきっかけとした住民同士のつながりや、地域ぐるみの防災意識の向上を図るため、区内各地区で総合防災訓練を実施しています。地域の学校や大学、企業によるブース出展や多様な世代が参加しやすい取組の実施等、各地区で特色のある訓練を実施している中で、当区で初めて総合防災訓練と区民まつりを同時開催した地区の取組を紹介します。

 総合防災訓練と区民まつりは、いずれも町会・自治会を中心とした団体が主催していますが、総合防災訓練は、参加者の高齢化と固定化という課題がありました。

 大井第二地区防災協議会では「防×祭-BOUSAI-」と題し、親子参加も多い区民まつりと同時開催しました。地域全体の防災意識の向上や地域防災の新たな担い手の育成を目指し、親子連れでも参加しやすいバケツリレーなどを実施しました。(写真2)

 結果として、来場者数は昨年度の約550人から約7,000人に増加しました。誰もが参加しやすい防災訓練となっただけでなく、町会・自治会活動の認知度向上にもつながりました。

写真2 区民まつりと同時開催した総合防災訓練の様子(令和7年(2025年)9月27日撮影)

写真2 区民まつりと同時開催した総合防災訓練の様子(令和7年(2025年)9月27日撮影)

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内閣府政策統括官(防災担当)

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