防災の動き



千早赤阪村の総合防災訓練について
大阪府千早赤阪村村政戦略部危機管理課

1 はじめに

 大阪府の南東に位置し、東側は金剛山地、南側は和泉山地により台風等から守られている本村では、住民の防災意識は、総じて高いものではありませんでした。

 しかし、近年、地震や風水害に対する防災意識が高まってまいりました。

 今回は、本村で十数年ぶりにおこなった総合防災訓練を紹介いたします。

2 訓練までの経緯

 本村では、かつての4つの小学校区(現在は2校)が、長年にわたり、村消防団と合同で避難・消防訓練を積み重ねてきました。

 総合防災訓練を計画するに当たり、この合同訓練の枠組みを活用し、今年担当の小学校区の5つの地区の自主防災組織(以下「自主防」という。)を主役に、これまで合同訓練してきた消防(団・分署)に加え、陸上自衛隊、警察署及び災害時応援協定締結企業(以下「協定締結企業」という。)の参加について、年度当初から、地道に調整してきました。

3 訓練の概要

 本村では、多くの地区で自主防がありますが、「発災時、何をしたらよいか分からない」「村の地形・植生から、土砂崩れ等による地区の孤立が心配」等の声が寄せられていました。

 そこで、「自主防の活動を、発災から一連の状況の中でイメージアップ」及び「ヘリコプターやドローン(協定締結企業)を活用し、孤立地域の救援を実感」の、2つにスポットを当てた訓練シナリオを作成しました。

 南海トラフ巨大地震発生という想定で、自主防と消防団が協力した初期消火から、自主防による関係機関の誘導、避難所の開設、ヘリコプターや物資運搬用ドローンによる救援物資の運搬と状況を進め、自主防と陸上自衛隊が協力した備蓄食料を使った炊き出しまで訓練しました。これらを通じ、住民に対して、自主防の活動をイメージアップするとともに、地区の孤立を防ぐための村の防災施策を理解してもらうことができました。また、関係機関との連携要領とその重要性も住民の印象に残ったようでした。

総合防災訓練での消火訓練

総合防災訓練での消火訓練

炊き出し

炊き出し

4 おわりに

 高齢化が進む本村において、医療や介護は大きな課題ですが、「発災時はどうなってしまうのか」といった住民からの不安の声も聞かれていますので、来年度は、「救護」及び「医療」にスポットを当てた訓練を実施すべく、現在、鋭意検討中です。

 今年度の訓練は、関係機関及び住民の協力があって実現できましたが、来年度も引き続き「村の防災力の向上」及び「住民の防災意識の高揚」のため、精進する所存です。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.