防災の動き



降灰予報 ~火山灰への備え~
気象庁地震火山部火山監視課

1 降灰とは

 火山の噴火は、時として大きな災害を引き起こします。火口から飛んでくる大きな噴石や、山の斜面を高速で流れ下る火砕流は、人命にかかわる非常に危険な現象であり、噴火警報や避難計画を活用した事前の避難が必要です。

 一方、火山から遠く離れた場所でも、噴火に伴う火山灰が上空の風に流され、火口周辺のみならず広範囲に降り積もり、日常生活に影響を及ぼします。このように、火山灰が地表に降る現象を「降こう灰はい」と呼びます(写真)。

 例えば、鉄道や航空機は降灰量が1㎜未満であっても運休や欠航となる可能性があり、人の移動や物流に多大な影響を及ぼします。それ以外にも、火山灰の堆積や視界不良に伴って自動車の運転が困難になることや、降灰量が多くなると停電、上水道の水質低下、農作物被害、健康被害、建物倒壊等、様々な分野にわたって被害や影響が生じることが懸念されます。

2 気象庁が発表する「降灰予報」

 降灰が予想される場合、気象庁は「降灰予報」を発表し、火山灰が降り積もる地域や量をお伝えします。降灰予報は3種類(定時、速報、詳細)あり、火山活動の状況の進行に応じて発表しています。

 降灰予報(定時)は、今後噴火するおそれがある火山について、仮に噴火した場合を想定した降灰範囲等を示して定期的に発表しています。噴火発生後は、1時間先までの降灰量・範囲等を示した降灰予報(速報)を迅速に発表します。その後、降灰予報(詳細)で、6時間先までの詳細な予報を提供しています(図)。

3 火山灰への備え

 降灰は、桜島のように普段から噴火が発生している地域を除いて、馴染みの薄い現象ですが、噴火はどの火山でも発生する可能性があり、ひとたび大規模な噴火が発生すると影響が長引くことも珍しくありません。

 その備えとして、火山灰による日常生活への影響や降灰予報という情報があることを知っていただき、もしもの時にはぜひ御活用ください。

降灰の例(三宅島)

降灰の例(三宅島)

降灰予報の例(桜島)

降灰予報の例(桜島)

【参考】

■発表中の降灰予報
▶https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#contents=ashfall QRコード

■降灰予報について(知識・解説)
▶https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/qvaf/qvaf_guide.html QRコード

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