防災の動き



高校生ドローン防災航空隊の取組~Kakegawa Balloon Flower’s~
静岡県掛川市危機管理課

 静岡県掛川市は、市北部に山地、市南部に遠州灘に面した海岸が広がる、起伏に富んだ自然の多いまちです。その中で、数多くの土砂災害警戒区域が指定されており、災害時には、上空からの正確な情報が必要となります。

 これまで、掛川市では、火災現場での状況把握及び火災原因調査や水難現場での捜索活動において、消防隊がドローンを活用しており、以前からドローンの有効性を認識していました。また、熱海市での土石流災害の際に、人が近づくことができない現場でドローンが活用されていました。ドローンを使用して、上空から災害現場を広範囲にわたって撮影することにより、災害状況を全体的に評価することができ、的確に現場対応を行い、災害対応の効率化を図ることができます。

 そこで、掛川市では昨年度から、次世代のリーダーを育成し、若い世代の活躍により地域防災力をさらに強化するため、高校生ドローン防災航空隊(Kakegawa Balloon Flower’s)を発足させました。高校生ドローン防災航空隊の主な活動は、災害発生時に広域避難所周辺の被害状況を把握し、市の災害対策本部へ報告することや建物の被害状況をドローンを使って確認することで、応急危険度判定士の補助等を行うことです。

 高校生ドローン防災航空隊では、講習で、航空法やドローンの仕組み、ドローンを飛ばすための気象条件を学んだほか、飛行許可申請に必要な10時間以上の操縦訓練を積み重ねました。操縦訓練は、実機とフライトシミュレーターを使用し、離着陸や左右への旋回、ドローンを同じ高さに保ちながら円を描く飛行や8の字飛行などの操縦に加え、実践経験のある講師から撮影の技術も学びました。

 操縦士となった隊員からは、「防災のために、自分が直接地域に関わることができる貴重な機会。新しい挑戦になる。」「自分の中にある可能性にチャレンジしていきたい。」「地域防災に貢献ができ、自分の中で良い経験となる。」といった力強い声が聞かれました。

 掛川市としては、今後も高校生ドローン防災航空隊を継続し、防災人材を育成することで、将来的には地域のドローンクラブが結成されるなど、高校卒業後も若い世代が意欲を持って取り組み、ひいては、掛川市全体の防災力の底上げになることを願っています。

1期生飛行訓練

1期生飛行訓練

2期生飛行訓練

2期生飛行訓練



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