防災の動き



「持続可能な地域づくりのための生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の手引き」の公表について
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室

1 生態系を活用した防災・減災がなぜ注目されるのか

 近年、国際的に、自然を様々な社会課題の解決に活用することが注目されています。特に生物多様性の保全や気候変動対策の議論において、自然への取組が単一の利益だけでなく、防災、気候変動、社会経済や人の健康などに対して複数の利益をもたらすことが認識され、費用対効果が高い施策として期待されています。気候変動により災害が激甚化する中で、自然を保護する対象としてだけでなく、自然には効果的な維持・活用の方法があることを再認識した事例も増えてきています。

2 生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の手引きの策定

 生態系を活用した防災・減災(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction)の考え方は、日本では古くからの伝統的知識として根付いてきました。遊水地等による雨水の貯留や海岸防災林・マングローブ林・サンゴ礁による高潮・津波の減衰など、自然を防災・減災に活用している事例は多くあります。さらに、その事例の中には、防災・減災や生物多様性の保全に寄与するだけではなく、地域に自然と触れ合う場を提供するといった社会的な効果や、エコツーリズムの実施等による経済的な効果など、幅広い社会・経済効果を生み出している事例もあります。

 環境省では、近年の自然災害の激化等を踏まえ、生態系が持つ多面的機能を防災・減災に活用する考え方であるEco-DRRについて、現場での実装を支援するために、「持続可能な地域づくりのための生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の手引き」を作成しました。Eco-DRRを推進するにあたって、そのポテンシャルがあると考えられる場所を可視化する「生態系保全・再生ポテンシャルマップ」の作成方法や活用方法を示したものです。

持続可能な地域づくりのための生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の手引き https://www.env.go.jp/press/press_01389.html QRコード

3 自然がもたらす恵みを再認識する

 環境省では、Eco-DRRの推進により、自然災害に対するレジリエントな地域づくりと生物多様性保全の両立に貢献するため、手引きの活用も含めた自治体への伴走支援を予定しております。こうした取組を通じてより良い自然を残し、回復させ、またその価値を高める取組を進めて参ります。


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